那賀川流域は沢登りに適した名渓が多く2022年から注目していたエリアだ。今回遡行した荒谷は那賀川界隈で一番アツい地質のエリアより少し南に位置している。
地形図・地質図だけ見ればそれほど魅力のない荒川だが「こんな立地の渓谷なんて誰も登らないでしょ」という個性がある。荒川を遡行するにはダム湖を泳ぐか、上部林道から下降してアプローチするしかないからだ。
今回、荒川の開拓を行うにあたりダム湖を泳ぐか、上部林道から下降するかずいぶん悩んだ。ダム湖から泳いで行った方がおもしろうそうだが、ダム湖を一人で数百メートル泳ぐのは怖いので上部林道から下降することにした。
荒谷|沢登り|2024/08/26
メンバー:ゴルジュクラブ1人
なんやかんやで遡行開始地点に到着。源頭部が山林ではなく採石処理場だったのには驚いたが渓谷にその影響は無い。ダムのバックウォーターで埋まるゴルジュを見て、やっぱりダム湖を泳いだ方が面白かったかもしれない、と後悔した。
遡行開始するとすぐに南国ならではの苔とシダの渓谷となり、小滝が連続する地形に。なんやかんやを越えていくと核心20mが登場。左岸から1分で巻けるが水芯を登攀できそうなカッコイイ滝なので登攀する。
下部流木をアンカーに登攀開始。上部CSまではステミングで、CSからは持ちにくいアンダーホールドで思い切って水流に立ち込んだ。終始水流を登攀できる楽しい滝。その後もなかなか見栄えのする滝が何本かあり遡行終了。
地質図からはわからなかったが石灰岩の渓谷で、特徴的な地形が散見された。もしかしたら未発見の洞窟があるかもしれないな、とも考えたが洞窟探索はメンタル負荷が高すぎるので探さないことにした。
総評
ダム湖を泳ぐか、上部林道から下降するかしないとアプローチできない渓谷。遡行内容は特筆すべき点はないが、石灰岩の渓谷は四国では珍しい。核心20mの登攀は水線が弱点となる沢登りならではのラインで爽快。
コメント