十田川|沢登り

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高知県いの町の「十田川」。上部集落からの排水で澱んだ水が流れる小渓谷だ。しかも、標高150mほどということもあり、植生に爽やかさはない。自宅の裏山の方がずいぶんマシなくらいだ。

しかし、地形図・地質図から見れば特徴がある。一つ目は、地形図に明確な岩壁マークが点在すること。場所によっては100メートルに迫る岩壁もあり、険しい地形が想像される。二つ目は、同じ地質帯にある「中追渓谷」が沢登りの対象として優れていること。これらの渓谷はいずれも「チャート」と呼ばれる岩盤から成り、私の経験上では特徴的な地形となる確率が結構高い。

結果としては、とても当たりとは言えない渓谷だ。途中いくつか特徴的な地形が現れるものの、総じて藪っぽく、水は汚い。チャートの特性でもある、側壁の急峻さは見てとれるが、右岸側壁が立ち上がると左岸側壁が緩やかになり、その先では逆に左岸側壁が立ち上がるも右岸側壁が緩やかに、、、というのを繰り返すため、明確にゴルジュと呼べる区間が無いのも残念だった。

遡行図

十田川の場所