
ゲテモノゴルジュ「イワンヤ沢」で名を馳せる(?)戸台川に気になる支流を見つけたのは数年前の冬のこと。アイスクライミング体験に誘われ、戸台川を歩いている時に見つけたその渓谷は小水量ながら登攀が絶望的な垂直ゴルジュとでも呼ぶべき地形をしていた。
核心部と目されるセクションは水平距離350m落差250m。集水域は小さいが岩質は石灰岩で、私の経験上0.5平方キロ程の集水域があればゴルジュになる可能性があり、なんとしても中を覗いてみたいと思っていた。
白岩沢(仮称)|キャニオニング|2024.07.04
メンバー:ゴルジュクラブ1名|紀伊半島彷徨クラブ1名
戸台パークに車を停め長い長い林道ハイクアップ。対岸にイワンヤ沢側壁の「幕岩」が見える。今日下降するのは幕岩と過去一続きだった石灰岩地帯の一部「白岩」付近の小渓谷だ。
林道との交差点から下降開始。小水量なのはわかっていたが、流石にこれはハズレなのでは?と心配になるガレ沢だ。
しかし心配は杞憂だった。岩盤が現れて小滝が出現するようになるとすぐに60m大滝が現れる。水流は少し上流で潜流して谷底ではなく左岸のあちこちから湧き出している。
大滝より下流は水平距離350m落差250mのゴルジュ連瀑帯になっていた。10mほどの滝が連続するゴルジュを下降していく。
本流出会いの大滝上部の20m。両側壁がハングしている。
水量は少ないが垂直ゴルジュと呼ぶに相応しい地形。
20mの先で戸台川に合流する40m大滝となり開拓終了。
60m大滝から始まる連瀑帯に8つの滝をかけ、60m以外にも40・20mと大滝も複数ある。総落差250mのゴルジュは結構珍しく、石灰岩特有の地形もおもしろい。