高知県土佐清水市「松尾漁港」に位置する海老洞。エメラルドに輝く海が心地よい、南国の漁港の片隅に位置する「海触洞」です。
松尾漁港「海老洞」について
- 駐車は漁港より少し上の「松尾のアコウ」横がおすすめ
- 駐車場所から坂道を下り徒歩5分
- 海に光が入る時間帯は朝〜昼前

南国の雰囲気漂う松尾漁港に向かい歩くこと数分。海老洞と、その前にかかる橋が見えてきました。

道中にも小規模な海触洞が。こちらは小ぶりですが、陸上にあるので中に入ることもできます。

海老洞は、むかし伊勢海老が獲れたことから、その名前がついているそう。入り口には「アコウ」の気根が垂れ下がり、暖簾のようになっていました。
海触洞とは?
波の侵食により生じる地形で、「鍾乳洞」「溶岩洞」とならぶ代表的な洞窟の一種。鍾乳洞と溶岩洞は特定の地質のみに存在するのに対し、海蝕洞は比較的多様な地質で生じる。海老洞は土佐清水市の主要な地質「花崗岩」にできたもので、これは「足摺岬」から続く一帯の地質に含まれている。同様の地質に存在する海触洞の代表的なものとして、足摺岬の「白山洞門」がある。
海蝕洞が花崗岩質の地質に形成される場合、岩盤に発達する「節理」と呼ばれる直線的な割れ目に沿って波の侵食が進むため、洞窟は直線が組み合わさったような角ばった形状になりやすい。国内の有名な海蝕洞として伊豆の「天窓洞」などがある。
松尾のアコウ

松尾のアコウ(クワ科)|土佐清水市 松尾
周囲7m|樹高25m|樹齢300年|大正13年3月3日国が指定した天然記念物
ここには、3株のアコウがある。1つは、イスノキの幹に着生してそこから多くの気根を降ろし、地上に届いているものもある。2つめは、ちょっと見るとアコウが生育して巨木になったように見えるが、実はほかの木に着生し、気根が寄主の樹幹をおおっている。
いま1つは、目通り周囲9m、高さ25m、ここから数十本の枝を四方に張り、東西10m、南北6mに拡がって発育旺盛である。土佐のアコウの代表的なものであるとともにその特性を示す標本として貴重なものといえる。幹と見える部分は多数の気根の収束したもの。
現地看板より

松尾のアコウは、高知県内で認知されている、いくつかの有名なアコウのなかでも特に大きな一本です。寄主となる樹木が大きいため、それと一体化するアコウも巨大なものとなり、まるで一本の巨木のような佇まいをしています。


