水上から金精峠を通り日光に至るまでのドライブコースでは、数々の名瀑を楽しむことができます。
その中の一つ、吹割の滝。国道沿いの立地も手伝って人気の絶えない観光地となっています。滝に至るまでの遊歩道には出店が並び、観光マナーについての放送がひっきりになしに流れています。人気のない秘境を期待して訪れたのならこの時点で引き返してしまいそうな環境ですが、少し我慢して川沿いまで歩くとそんな不満も吹き飛ばしてくれる景観がそこには待っています。
ホームの四国ではあまり見ない赤みがかり有機的な造形をした奇岩。岩の表情だけであれば 嫗仙の滝など似ているものもありますが、これほど豊富な水量とセットで岩の表情を楽しめる場所は他には知りません。
ナイアガラ、と呼ばれることもある吹割の滝。ナイアガラほどのスケールはありませんが、すぐ近くまで近寄れる地形、複数の方向から流れ落ちる水流。それぞれが他の滝にはない魅力となって十分な満足感を得ることができました。
駐車場から徒歩20分ほどで滝に到着できることに加え、尾瀬や日光のついでに立ち寄れる立地もとても便利です。願わくば、観光地然とした遊歩道をなんとかしてほしいものですが、それを加味しても十分に訪れる価値のある場所でした。