弘沢(安居渓谷)|沢登り

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仁淀ブルーで全国に名を馳せ、休日は連日渋滞となる高知の人気観光地「安居渓谷」の支流「弘沢」。有名ガイド本にも掲載され、高知で唯一、沢登りで賑わう渓谷だ。

私が初めて沢登りに触れたのも弘沢で、それ以降夏のアクティビティとして、妻と、友人と毎年訪れていた。当時はロープなど使えず、装備も沢靴以外はハイキング用のものを使っていたが、弘沢は、そんな私たちに沢登りの楽しさを十分に教えてくれた。

それから幾年か経ち、改めて弘沢へと足を踏み入れる。初心者向け渓谷なのは間違いないが、実は全ての滝が直登可能であり、私自身、そのラインを登ってみたくなったのだ。

入渓してすぐに二条滝を中心から越えていく。前半セクションではバリエーションに富む滝が次々に現れる。

弘沢のハイライトの一つでもある、15mツイスト滝。こんな水量の弘沢は初めて見るが、今の私にはどうということはない。激流に吹き飛ばされながら対岸へ。この滝は、水流さえ越えてしまえば左壁をロープなしに登攀できる。

後半セクションになると登りごたえのある滝が現れるようになる。

12mは左から。今日は水量が多く水際から泳いでいけず、右岸棚状から。その上で屈曲した先の空間は増水しているとなかなかの迫力だ。登攀ラインに水流は関係なく、快適に抜ける。

すぐさま斜瀑となり、いくつかの小滝を挟むと現れるのが、弘沢の白眉「屏風滝」だ(全景写真は別日に撮影)。思えば、はじめての沢登りで弘沢を訪れ、屏風滝を目にした瞬間から今に至るまで、ずっと変わらずゴルジュ好きな気がする。

屏風滝のホール状空間の出口を塞ぐCSまで泳ぎ、左壁から登攀開始。出だしが少しいやらしいが、落ちても下は深い釜。恐れることはない。そのまま右上して落ち口へ直登。見栄えの良い滝で、登攀としても面白い。なにより、ゴルジュ登攀の醍醐味ともいえるトラバース気味の登攀になるのが楽しい。

これ以降谷はずいぶん開け、釜と小滝が点在するのみとなる。上部林道で脱渓。

総評

沢登り未経験者から、上級者までを満足させられる名谷。弘沢に足を運べば、きっと沢登りの楽しさを全身で体験できるだろう。

登攀が難しい滝は全て容易に高巻けるので、初心者パーティーでも安心してトライできる。

遡行図

弘沢の場所