マレーシア・ボルネオ島にそびえる東南アジア最高峰、キナバル山。その北面、山頂直下から切れ落ちる巨大な花崗岩の壁に、氷河の侵食によって刻まれた異様な渓谷がある。ローズガリーだ。
側壁は最大で約800m。白い花崗岩の岩塊が垂直に立ち上がり、その足元を深くえぐられた谷が走る。規格外という言葉では足りないスケールの空間を、私たちはキャニオニングという手段で下降してきた。
ローズガリーに立ち入るのは私たちが最初ではない。過去にもいくつかのパーティーが沢登り、あるいはキャニオニングによってその内院を目指した。大増水による撤退や、大量遭難など、様々なエピソードが残るローズガリーの全貌が解明されたのは2003年。ベルギー隊がキャニオニングによってローズガリーの全貌を明らかにした。
ローズガリーに立ち入るまでの道のりは簡単ではない。キナバル山域は厳格に管理されており、登山道を外れる行為には複数の申請と承認が必要となる。実際、数年前にリーダーの大西が遠征を計画した際には、管轄するサバ・パークスに取り合ってもらえず、計画は頓挫している。
それでも今回、思いがけない企画に便乗する形でチャンスが巡ってきた。正式な入域許可を得て、ついに私たちはローズガリーの内部へと足を踏み入れることになった。
後ほど追記します。









