
旅行のプランを考えるとき、何処を目的地にするか?というのは非常に悩ましい問題です。有名観光地を目的とするならば比較的簡単に数日間のプランを決めることができるでしょう。一方で、一般的な観光地に飽きてしまった旅行のベテランにとって、魅力的な旅行プランを考えることは非常に重労働であることは間違いありません。
そんなあなたにおすすめなのが、高知県。数々の秘境を擁すことに加え、まだまだ開拓の進んでいない高知県を旅することで、これ以上ない満足感を得られること間違いなしです。
1.高知県ならではの楽しみ方がたくさん!
1-1.高知県ならではの魅力とは?
日本各地に素晴らしい観光名所がある中で、高知県にパッとしない印象を覚える方も多いのではないでしょうか。実際、高知県には有名な観光スポットが少なく、観光の目的地としては選ばれにくいのは事実。しかしながら、高知県に数々の絶景スポットが存在することはあまり知られていない事実で、その数やバリエーションは有名観光地を擁す都道府県と比較してもまったく引けを取りません。さらに、それらの大半が未開拓の秘境であることは高知県ならではの魅力といえるでしょう。
有名観光地において、連休と混雑はセットといっても過言ではありません。一方で高知県の観光地はいつ、どこにいっても貸切り状態。有名観光地にありがちな、渋滞は当たり前、駐車場は有料、展望台は人だかり、土産物屋の呼び込みにうんざり・・・といった、残念なことは高知県では絶対にありません。
清流沿いの快適な国道をゆったりとドライブし、貸し切りの絶景を楽しむ。自分だけの空間を心ゆくまで堪能できるのが、高知県観光の最大の魅力なのです。
1-2.なぜ高知県の魅力的な観光スポットの数々は無名なのか?
高知県の魅力的な観光地を紹介する前に、高知県が擁す数々の観光スポットが、なぜ無名なのか考えてみましょう。
四国旅行の目的地に高知県を組み込む場合、四国の中央を通る高速道路の利用が不可欠になりますが、高速道路でアクセス可能なのは高知市を中心とした高知県中心付近のみ。一般道を利用して東西に長い高知県を巡るのはそれなりの時間を要すため、四国旅行の一環で高知、といったスタンスでは高知県の中心しか訪問できないのです。そのため、中心部から少し離れるとほとんど有名な観光地は存在せず、どこに行っても貸し切り、といった具合なのです。
加えて、県境全域に四国山脈が連なる高知県では中心部から外れると他県に抜けるのは非常に困難。ツアー旅行では敬遠されがちなピストン移動が必要になってくる点も高知県の開拓が進まない一因ではないでしょうか。だからこそ、高知県における素晴らしい絶景観光スポットの数々は開拓されることなく、混雑とは無縁な環境を維持できているのです。
1-3.ツアーでは絶対にわからない高知県の魅力
金比羅山(香川県)〜道後温泉(愛媛県)がゴールデンルートとされる四国旅行において、高知県をルートに織り込む場合、どうしても交通結節点となる高知市周辺しか観光できないのは悩ましい問題です。
高知県のメジャーな観光スポットといえば真っ先に「桂浜」「はりまや橋」が思い浮かびますが、どちらも高知市からすぐにアクセス可能な点からも、高知県の観光事情において交通問題がボトルネックとなっていることは容易に想像できます。もちろん「桂浜」「はりまや橋」も決して悪い観光スポットではないのですが、高知県の魅力を十分に体験可能なスポットかと聞かれれば、答えは完全にノー。高知県の東西に散在する未開拓の絶景スポットの数々こそ、高知県ならではの魅力ではないかと思うのです。
1-4.あと数年?開拓が進む前に訪問するのがおすすめ!
未開拓の秘境の宝庫ともいえる高知県ですが、近年は県をあげて観光事業に力を入れていることに加え、ソーシャルメディアにより少しづつ未開だった秘境が開拓されてきている印象です。先にも書いた通り、幸運にも(?)開拓を免れた秘境の宝庫であることこそ、高知県観光における最大の魅力。これからしばらくの間、それらの秘境が開拓され尽くすまでの間に訪問できる方々は幸運といえるでしょう。
2.高知県観光の移動手段と予算
2-1.車での観光が絶対におすすめ!
高知県の素晴らしい観光地は、公共交通機関が未発達ということもあり、車なしで訪問するのは至難の技。なんとしても車を確保して観光に望みたいところです。他県の有名観光地と違い、高知県の駐車場は非常にリーズナブルな場所が多く、高知市中心部であっても一晩1200円くらいが相場なため、安心して駐車することが可能。高知市以外の地域では有料駐車場を探す方が困難なくらいで、人気の観光スポットであっても駐車料金が必要な場所は皆無です。
2−2.食費・宿泊費だけでOK?高知県はリーズナブルに観光可能
高知県の絶景観光スポットの多くは駐車料金や入場料とは無縁。未開の観光スポットが多い高知県では、土産物屋も少なく余計なお金を使ってしまう可能性は皆無です。宿泊費も他の地域と比較して安価なため、浮いたお金で高知県の豊かな食文化を思いっきり堪能できるのも魅力といえるでしょう。
2−3.1泊2日で1万5千円+移動代が目安
高知県における宿泊施設の相場は約1万円。1泊2日のうち昼食2回の代金を加えても一人あたりの予算は1万5千円くらいでしょうか。また、高知市内であっても5千円でたらふく飲める点も嬉しいポイントです。これに加え、高知県までの移動代+高知県での移動代が必要になりますが、いずれにせよ観光スポットは無料、宿泊費も食費も安い高知県では、かなり安価に観光を楽しむことが可能なのです。
3.有名スポット抜き!正真正銘の秘境6選
3-1.伊尾木洞(いおきどう) | 四季を通しておすすめ

洞窟の先に開けるシダで覆われた異世界
高知県訪問時、絶対に訪問して欲しいのが安芸市に位置する伊尾木洞です。高知市から車で1時間、街中に突如出現する洞窟を抜けると、そこはシダに覆われた異世界。穏やかに流れる水流と高さ5mの両壁を埋め尽くす多種多様なシダの渓谷の中を、400mにわたり散策可能です。最奥には小さいながらも滝があり、ちょっとした冒険を体験できるスポットです。
伊尾木洞のシダは国指定の天然記念物にされるほど種類や量に富んでいて、日本全国を探しても同様の空間を味わうことは不可能です。駐車場からの距離が近いことに加え、高知市からも近く、歩きやすい遊歩道が整備されているなど、至れり尽くせりの伊尾木洞。気軽にアクセス可能ながらも最高の秘境感を体験可能な伊尾木洞は、高知県観光で外すことのできないスポットといえるでしょう。
おすすめコース | 四季を通しておすすめ
- 琴ヶ浜
- 伊尾木洞
- 野良時計
- 室戸岬
- 馬路村
高知市8:00 – 琴ヶ浜9:00 – 伊尾木洞10:30 – 野良時計(昼食)12:00 – 室戸岬14:00 – 馬路村(温泉・夕食)16:30 – 高知市19:30
3-2.にこ淵 | 四季を通しておすすめ

日本一美しいといわれる滝壺
山岳の多い高知県には数々の名瀑が存在しますが、その中でも特におすすめしたいのが、いの町に位置する、にこ淵。落差こそ8mと小ぶりながらも、日本一美しいといわれる滝壺は日本一の清流、淀川水系ならではの景観。高知市と石鎚山周辺の絶景エリアを結ぶ、R194からすぐアクセスでき、駐車場から3分で滝壺まで到達可能な気軽さも相まって人気を集めています。
近年TVや雑誌で特集されたことで一気に来訪者が増えたにこ淵ですが、他県の観光スポットと比較すれば空いていることこのうえなし。駐車場から滝壺までは斜面につけられた遊歩道を利用するため、運動靴で。
おすすめコース | 春〜秋がおすすめ
- にこ淵
- 大瀧の滝
- 瓶ヶ森林道(12月〜3月冬季閉鎖※気象条件により前後する場合あり)
- 道の駅木の香
高知市7:30 – にこ淵9:00 – 大瀧の滝10:30 – 瓶ヶ森林道11:00 – 一の谷やかた(昼食)13:30 – 道の駅木の香(温泉)15:00 – 高知市18:30
3−3.安居渓谷 | 夏〜秋がおすすめ

安居渓谷支流に位置する名もない滝
清流のメッカである高知県には数々の名渓谷が存在しますが、そのなかでも特におすすめしたいのが安居渓谷。日本一の清流、淀川水系のなかでも特に美しい安居渓谷では、これ以上ない清流を堪能可能。安居渓谷沿いに位置する飛竜の滝・昇竜の滝をはじめとする見所満載の渓谷は、1日かけてじっくりと探索するのがおすすめです。
安居渓谷沿いにつけられた遊歩道はよく整備されていて、体力に自信のない方も安心して散策可能。一方で、本格的なアクティビティを楽しみたい方には沢登りがおすすめです。それなりの装備と体力が必要になりますが、比較的低難易度の渓谷でありながら、バリーエーションに富んだ景観や、直登可能な滝の数々、楽しめる渓谷の条件が全て揃った名渓谷をお楽しみください。
3-4.黒尊渓谷(くろそんけいこく) | 夏〜秋がおすすめ

四万十の清流と紅葉に包まれた景観
距離を基準とするならば、東京から最も遠い場所は沖縄であることは間違いありませんが、時間を基準とする場合、最も遠いのは黒尊渓谷周辺のエリアかもしれません。ただでさえアクセスの悪い高知市から車で4時間。四国に多い急峻な渓谷とは一味違った穏やかな渓相をもつ黒尊渓谷では、四万十水系の清流と紅葉に包まれた空間を堪能可能です。
アクセスの問題もあり、混雑とは無縁の黒尊渓谷。高知県の最果てという、秘境好きにはたまらないスポットです。黒尊渓谷を目的地とした場合、高知市から往復するだけでかなりの時間を要するので、他のスポットを1日で回るのは時間的に厳しいかもしれません。周辺には柏島、足摺岬(あしずりみさき)、大堂海岸(おおどうかいがん)、竜串(たつくし)など、高知県を代表する秘境が複数存在するため、周辺で一泊して一気に巡るのがおすすめです。
3-5.瓶ヶ森林道(かめがもりりんどう) | 春〜夏がおすすめ(12月〜3月冬季閉鎖)

四国で一番高い場所をドライブできる瓶ヶ森林道
瓶ヶ森林道抜きでは、高知県の絶景スポットを語ることはできないでしょう。高知県で一番の絶景スポットを尋ねられたら真っ先に瓶ヶ森林道が思い浮かぶほど、瓶ヶ森林道からの景観は美しいものです。
四国で一番高い場所を27kmにわたりドライブ可能な瓶ヶ森林道からは、なにも遮るもののない四国の景観を満喫可能。四国の屋根、四国山脈を貫くようにつけられた瓶ヶ森林道は、太平洋と日本海の両方を眺望可能なほど見晴らしが良く、全長27kmが短く感じるほど、変化に富んだ絶景を楽しむことができます。
また、林道の名がついているものの、全域にわたり舗装されていることもあり、安心してアクセスできるのも瓶ヶ森林道の魅力です。一方で、険しい斜面につけられた林道は場合によって崩落等により通行止になっていることもあるため、事前の情報収集が欠かせません。
おすすめコース | 春〜秋がおすすめ
- にこ淵
- 大瀧の滝
- 瓶ヶ森林道(12月〜3月冬季閉鎖※気象条件により前後する場合あり)
- 道の駅木の香
高知市7:30 – にこ淵9:00 – 大瀧の滝10:30 – 瓶ヶ森林道11:00 – 一の谷やかた(昼食)13:30 – 道の駅木の香(温泉)15:00 – 高知市18:30
3-6.上久喜の花桃(かみくきのはなもも) | 4月前半がおすすめ

花桃と農村の美しい風景
上久喜の花桃、知る人ぞ知る高知県の絶景。山間ののどかな集落を桃の花が包み込み、桃源郷のような景観を作り出します。シーズンになると地元の有志による屋台も楽しむことができ、ゆっくりと時間をかけて辺りを散策できる環境なのも嬉しいところです。
おすすめコース | 4月前半がおすすめ
- ひょうたん桜
- 上久喜の花桃
高知市10:00 – 畑山ガーデン(昼食 | 新しいタブで外部サイトが開きます)11:00 – ひょうたん桜12:30 – 上久喜の花桃13:30 – 高知市16:00