高知県の日本の滝百選に選ばれる三本のうち、唯一氷瀑になるのが龍王の滝です。標高約1000mほどの日当たりが悪い山中という立地で冬季は気象条件により氷瀑になることで人気を集める滝です。落差こそ20mと控えめですが高知県における氷瀑は貴重なこともあり、独特なポジションをもっている滝といえるでしょう。
南国高知、なのに氷瀑
温暖な高知県において氷瀑は珍しく、氷瀑になるというだけで結構な人気がある龍王の滝。高知県の氷瀑といえば他に大瀧の滝くらいしか一般に知られる滝は無いので、かなり貴重であることに間違いはありません。
掲載写真の撮影日は10年に一度の寒波により平地部でマイナス4度を記録した日の午前中で、珍しく滝壺全体も凍っていました。ただ、氷瀑になる条件として小水量であることは絶対なのですが、さすが日本の滝100選に選ばれている龍王の滝、冬季でもそこそこ水量が多く全面凍結は望めなさそうで、周囲に水ツララが付着しただけの氷瀑っぽい景色を楽しめるにとどまりました。
平時はこんな感じ
平時の景観は、緑に包まれて滝壺も大きく、まさに王道の雰囲気。ただし特筆すべき特徴、たとえば大水量・激しい侵食・個性的な水流などがあるわけではなく、平凡にも感じます。初めての高知観光でイケてる滝を見たい!という貴方には「轟の滝(日本の滝100選)」「飛龍の滝」「大瀧」「雨竜の滝」あたりのほうがオススメです。
その他の情報
その昔、滝の下流部にある佐賀山集落の一軒の家に、ある夜、美しい娘が一夜の宿を請うた。家の主人は快諾した。娘は「私が休んだら体に水を掛けて下さい」と願った。不審に思った主人は娘が就寝した頃、襖の間から座敷を覗くと大蛇がとぐろを巻いていた。翌朝、娘は宿の礼を述べて立ち去った。主人はどこの大蛇かとそっと跡をつけて行った。すると、龍王の滝まで来ると滝壺に静かに身を沈めていった。その後、主人は大病を患い寝たきりになったという。この滝には大蛇に化身した娘が住んでいると言われている。-wikipedia
高知県の滝には女性にまつわる伝説が伝わる滝が多いのは、なぜなのでしょうか。龍王の滝も例に漏れず女性にまつわる伝説が残され、長きにわたり人々の関心を集めてきたことが伺えます。