雨ヶ森は、高知県仁淀川町に位置する標高1390mの山です。これといった特徴がある山ではありませんが、登山コースは四国の中でも有数の難易度ともいわれています。登山口からの標高差は約900m。頂上までは複数回の急登が必要で、小さいながらも沢の渡渉が複数回。そして、急峻で滑りやすい登山道が難易度を格段に高くしています。コースタイムは登り3時間・降り2時間くらいです。
急峻な登山道とは対照的に、頂上はなだらかで樹木が多く、とくに景色が良いわけではありません。木々越しではありますが、中津明神山・石鎚山などを眺望することができます。
道中が楽しい山・雨ヶ森
巨木が点在する原生林
しんどい割にはこれといった特徴がない雨ヶ森。植林帯から始まる登山道は、1時間ほど登ると原生林の中に入っていきます。様々な巨木が点在する原生林は、尾根沿いということもあり晴れた日には木漏れ日が気持ちよさそうです。原生林に入るあたりからは、チラチラと眺望が開けるようになるのも嬉しいところです。
足山の滝(たりやま)
ふたつめの見所、足山の滝(たりやま)。登山口から10分ほど進んだところの分岐から、5分ほど歩くと滝直下に到着します。
写真は二段目まで登って撮ったもの。下段よりもこちらからの方が随分と迫力があります。二段目にはピンクテープを目印に進めばOKで、往復20分くらいかかります。
頂上からの景色
樹木越しではありますが、石鎚山をはじめとする山々を眺望できます。なだらかな頂上ではありますが、樹木が多く、それほど広くはありません。樹木がおおいからでしょうか、頂上でも昆虫など生き物の気配が強く、少し独特の雰囲気でした。
雨ヶ森登山の難易度
四国の中でも特に難易度が高いといわれる雨ヶ森の登山コースですが、実際に登った所感です。
個人的には石立山・三嶺(高知県側)などのほうが体力的・危険度的に大変なコースに感じるのですが、これらよりも雨ヶ森の方が難易度が高いとも言われる理由はどこにあるのでしょうか。おそらく、その理由は”登山道の歩きにくさ”にありそうです。急な斜面が多く・ザレ場が複数箇所。そして沢沿いにはぬかるんだ斜面も多数見受けられます。また、ごく一部ではありますが沢筋を登る箇所があり、渡渉も複数回ある。それぞれが水に関係することなので、雨の日に登ったら相当な難易度じゃないでしょうか。逆に、ある程度山を歩き慣れていれば、天候が良ければ結構簡単に登れるでしょう。
それと、登り始めてしばらく続く植林帯では、何箇所か迷いやすい場所があるので注意してください。ただ、この辺りはそれほど危険箇所はなく、林業者により地面も踏みしめられているので、方向さえ見失わなければ問題なさそうです。
総合的に見て、晴天時は中級・雨天時は上級、といったところです。個人的には雨天時には絶対行きたくない山でした。
おまけ:道中の巨木が素敵
看板も何もない樹ですが、強く印象に残っています。45度くらいに傾斜した幹は直径2m近くあろうかという立派なものです。驚くべきはその内部のほとんどが腐り落ちていること。対照的に、上部の枝葉は生命力に溢れ、とても枯れかけの樹とは思えない生命力を感じます。登山道への道中、道沿いの目立つ場所にあるので見落とすことはないでしょう。