高知県津野町にある「白龍湖」は、「モネの池」としてSNSで一躍有名になった岐阜県某所さながらの景観が特徴の人造湖です。
清流・四万十川の源流域に属する「北川川」のほとり、堰によって川岸からの湧水を貯めることでできた白龍湖。寒気がするほどに硬質なブルーに染められた湖は、清流の多い高知県においても特筆すべき水辺の景観と言えます。
白龍湖は30メートル×20メートルくらいの大きさです。水深は2メートルくらいありそうですが、透明度が高すぎて遠近感が狂ってしまい、浅いようにも深いようにも見えます。水深からすると正確には「池」ということになりますが、「湖」と呼ぶにふさわしい美しさです。
なぜ、これほどまでに白龍湖の水は美しいのか?その理由を考えてみると、以下のようなことがわかります。
白龍湖が美しく見える理由
1.水が澄んでいる
四万十川源流域に位置していて水の透明度が高いことはもちろん、湧水を水源としているために微生物など「濁り」の原因が発生しにくいことも影響しているのでしょう。
2.湖底が白い
湖底が白い砂で覆われていることも白龍湖の水を美しく見せている要素です。仮に湖底が暗い色をしていたり・苔むしていたりすると、水に色が映りくすんでしまいます。確かに、高知で水流が美しいとされる「安居渓谷」「中津渓谷」「黒尊渓谷」などを見渡しても、透明度が高いことはもちろん川底の色が明るいという共通点があることに気づきます。
3.水面に波がない
川と湖、同じくらいの透明度なら湖の方が綺麗に見えるんです。その原因は「水面の波」。波があると水面で光が乱反射してしまうので「見渡す限り透き通っている」ようには見えません。そのため川と違って水流がなく波が生じにくい湖の方が綺麗に見える場合が多いのです。
白龍湖が非常に特別に感じてしまう理由を考えていて思い出したのですが、実は四国に湖はありません(ダム湖・人造湖を除く)。そのため、高知における水の名所と言えば川か滝ばかりなのですが、これは青森の「青池」や北海道の「神の子池」など、全国に名をはせる美しい湖が各地に存在していることからすると意外な事実です。
つまり、(人造湖とはいえ)湖として高知の清流を鑑賞できる白龍湖は非常にユニークといえます。
アクセス
四国カルストへの高知県側からのアクセス路となるR439道中、「与作狸」の裏から徒歩3分です。 目印の「与作狸」