四国の名山を思いかべる時、石立山が思い浮かぶ人は少ないかもしれません。標高1707m、四国においても決して標高が高いわけではなく、四国山脈からも少し外れた場所にある、マイナーな山です。一方で、四国きっての急峻な山岳である石立山は、捨身嶽に代表される険しい山並みを堪能できる通好みのスポットです。
四国一険しい石立山の捨身嶽(しゃしんだけ)
急峻な登山道とは裏腹に、頂上付近はなだらかで、悪く言えば地味な石立山において、ひときわ素晴らしい景観をもった場所が、捨身嶽です。その切っ先に歩いて行くこともできる捨身嶽は、落差300mといわれる断崖に囲まれ、まさに捨身のためにあるかのよう。石灰岩でできた断崖はこの上なく白く、異様な景観を作り出しています。別府峡登山口から標高差で1000mの道のりを、わざわざ登って来る価値のある景観です。
石立山の頂上付近は、鹿による食害か、立ち枯れの木々が多く見られます。急峻な山容とは裏腹に、頂上付近はなだらかな地形をしているのですが、次々に現れる個性的な立ち枯れの木々によって、変化のある景観を楽しめます。
標高1707mでありながら、気軽な登山には向かない石立山。普通の登山に飽きてしまった、という人にはうってつけの、通好みの山です。