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春川 万滝沢 赤いゴルジュ|沢登り

”赤いゴルジュ”の通称で呼ばれるゴルジュがある。

赤いゴルジュの存在を知ったのは2022年8月。東北の沢屋をSNSでナンパした時のこと。そのときは天候不順により訪問できなかったが、ずっと気になっていた。

2023年10月、東北遠征で悪絶な渓谷の数々を遡行する予定だったが、あまりの寒さと万全でない体調によりプランB、いや、プランFくらいのコンビニ系沢登りを求めていた我々には、赤いゴルジュはなんとも魅力的なゲテモノゴルジュに見えた。

春川 万滝沢 赤いゴルジュ|沢登り|2023.10.17〜18

メンバー:ゴルジュクラブ1名|紀伊半島彷徨クラブ1名

春川万滝沢は下部から入渓すると歩きが非常に長い。全くヤル気のない我々は途中から入渓して途中から脱渓するプランとした。

水沢森を経由する登山道から万滝沢co650に合流する支流を下降していく。

脆弱な岩盤だとは聞いていたが、想像以上に脆い。部分的には硬めの泥、という感じで、頑張れば素手でも形を変えることができるほどだ。

下降途中。万滝沢の対岸に先日の九階滝を彷彿とさせる大スラブ滝が見える。

co650合流点。地形図に水線の無い支流だが堂々としたスラブ滝だ。

赤いゴルジュの存在を匂わせる、奇抜な岩峰が見える。

岩峰を回り込むと赤いゴルジュスタート。グレージュと錆色のコントラストが印象的な岩盤が続く。

屈曲した廊下を進むとすぐに12m滝。

左からショルダー+A1で簡単に登れそうだが、フリーできそうな右から取り付く。

フリクションは良いのだがとにかく脆い。直上スラブが一見良さそうに見えるが、脆いクラックはプロテクションが効かず、薄いフレークに乗れば即座に崩落するガラスのスラブ。一旦右の灌木にルートを変え、そこから落ち口へと向かう。

良い空間だ。

12m滝上部の5m滝は左スラブからコーディネーションムーブで登攀できるらしいが、私にはよく分からなかった。A1でサクッと突破。

なかなか絶望的な見た目のゴルジュである。

いくつかの小滝を越えていく。谷筋は複雑に屈曲し巧妙に行先を覆い隠す。

CS挟まる二段の滑滝を越えると谷は開け、ゴルジュは終わった。荒涼とした谷を進み、脱渓点となるco780支流を目指す。

1泊2日の予定で入渓しているので時間には余裕がある。co780に荷物を降ろし、前衛滝観光に向かう。

前衛滝に近づくにつれ、谷奥に大障壁が立ち上がりスラブ滝が連続する地形になる。

前衛滝。この奥に幻の滝「万滝」があるのだが、ボロ壁のなか超小水量の水を滴らせる滝と呼べるか微妙な代物を前に登攀のモチベーションは湧かなかった。

2日目。

co780右岸支流を利用して万滝沢から脱渓する。この支流は小水量ながら登攀が絶望的な滝を連続させる悪渓で、高巻きの連続となった。

あまりの悪さに途中から尾根の藪漕ぎへと作戦変更。雪国の藪と格闘しながら登山道に戻った。

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