ローソク滝の上部にすごいゴルジュがあるらしい。2023年秋にファイントラック相川氏が開拓し話題になった記録を見て早速訪問した。ローソク滝が掛かるのは刈安谷支流のホホゴヤ谷。刈安谷も沢登りでの突破が困難なゴルジュを擁するという。折角遠征するなら、と1day*2キャニオニングした。
折角なので、紀伊半島界隈でキャニオニングに興味があるメンバーを集め、布教活動も行う。
2023.11.02 – 03|刈安谷・ホホゴヤ谷|キャニオニング
刈安谷|2023.11.02
メンバー:ゴルジュクラブ1名|鈴鹿ハイキングクラブ1名
初日は本流の刈安谷を下降する。平日でメンバーが揃わず、2名での下降。曰く付きのアプローチは少し外れた尾根から登ったら簡単に目的の場所に出ることができた。少し谷を下降するとすぐに夫婦滝。右岸NA / RP15m。
夫婦滝からしばらくは穏やかな渓相が続くが、時折面白い地形があり飽きない。
二段19mは左岸NA / RP20+JP。
いくつかの滝をSL・CDで超える。
斜瀑8mを右岸からRPするとすぐに樋状13mが。右岸B / RP20。
ゴルジュ内下降においてシングルロープシステムの理解は必須。
いくつかの中規模滝が現れるが、NAまたは残置で下降。
支流に明日下降するローソク滝が見えた。刈安谷の出口はもうすぐだ。
笹の滝上部ゴルジュ5m。緩傾斜ながらフリクション皆無で、転倒すると水芯に引き寄せられる。下部1mがハングしていてスタックすると下降者自身ではロープ操作ができなくなる。
非常に危険な滝で少しでも増水していたら絶対に近寄りたくない。平水であってもシングルロープシステムへの理解がない場合はSLしたほうがマシ。左岸残置B / RP10。
すぐに15m。左岸残置B / RP20。
笹の滝40m。右岸NA / RP45m。
笹の滝下流は滑床になっていた。SLを思う存分楽しみながら駐車場まで下降。
ホホゴヤ谷|2023.11.03
メンバー:ゴルジュクラブ1名|鈴鹿ハイキングクラブ1名|紀伊半島彷徨クラブ2名|その他1名
刈安谷の翌日は本命のホホゴヤ谷へ。土曜日ということもありメンバーが増えて5名になった。
適当な尾根から入渓地点までハイクアップ。刈安谷の下山に使われているのか、意外と踏み跡があり快適に登ることができた。
入渓直後からゴルジュ地形スタート。水量は少ないが岩盤が露出していて美しい。SL・JPを繰り返し下っていく。
釜が多くテンションが上がる渓谷だ。
いくつかRPが必要な滝が出てくるが水量は少なく難しくない。残置アンカーを使いメンバーにリギングしてもらいながら下降。
ローソク滝上部の40m。左岸残置B / RP45m。
40mの下降中。先にはローソク滝落口のスリットゴルジュが見える。素晴らしい地形。
ローソク滝上部のスリットゴルジュ。
ローソク滝30mの下降中。CS残置B / RP35m。
ローソク滝下降中に落口を見上げる。滝自体が垂直ゴルジュになっている。
ローソク滝下部にて。普段沢登りしかしないメンバーにキャニオニングの必要性を実感してもらえてよかった。
その後は昨日下降した危険な5m滝で水流の怖さを実感してもらったりしながら下降。
感想
ホホゴヤ谷は沢登りでの水線突破は絶望的な地形をしているが、水量が少なく地形的にロープトラブルの危険性も少ない。キャニオニング初心者を案内するのに最適な渓谷に感じた。刈安谷は地形の威圧感こそホホゴヤ谷に劣るものの、集水域が比較的大きい渓谷ゆえリスクははるかに高い。いくつか危険な滝もあり注意が必要。