四国の中央、高知県と徳島県の県境付近に位置する標高1409mの国見山(くにみやま)は、四国における雪山登山の入門編として有名な、隠れた名山です。一般的に、四国といえば南国のような温暖な気候を想像する方が多く、国見山のような標高1500mに満たない山々で美しい積雪や霧氷を楽しめるということは、あまり知られていません。
国見山が雪山入門に最適な理由
国見山が四国の雪山入門に最適な理由は、なんといってもその歩きやすい登山道にあります。登山口から1時間半で登頂可能な山とは思えない美しい霧氷の景観は、国見山が標高1500mに満たない山であることを完全に忘れてしまうほど。日中に気温が上がると霧氷が落ちてしまうことも多いものの、冷え込んだ日の午前中には山頂付近一帯を埋め尽くす美しい霧氷を心ゆくまで堪能することが可能です。
四国の中でも比較的標高の低い国見山では、山頂付近では美しい霧氷や雪景色を楽しめるにもかかわらず、道中は積雪も少なく歩きやすい場合が多い点も見逃せません。山頂手前まで一気に標高を上げる登山道は、標高1300m付近までほとんど積雪の無いことが多く簡単に登山可能です。一方で標高1300mを超えると現れる、美しい霧氷に覆われた木々はまさに絶景。ところどころ現れる巨木が景観にアクセントを与え、楽しみながら歩くことができます。
登山道からの景観も素晴らしい国見山ですが、頂上からの景観も当然絶景。四国の中心に位置する国見山から、雪に覆われた山々を眺望可能です。また、頂上から5分ほどの位置に避難小屋が整備されている点も見逃せません。厳冬期であってもゆっくりと食事をとったり休憩できる場所が頂上付近にあるというのは初心者にはありがたいポイントです。
国見山が雪山の入門編として不動の地位を築いているもう一つの理由は、なんといっても登山口へのアクセスが良い点にあるでしょう。四国の山岳としては珍しく、よく整備された車道で頂上まであと1時間半の場所までアクセス可能。雪山登山というと、登山の装備だけでなく、移動のための車からして用意が必要、と思われがちですが、国見山においてはそんな心配はありません。とはいえ、積雪自体はもちろんあるため、スタッドレスタイヤの装着やチェーンの準備必須と言えるでしょう。