落差132m、日本全国を見ても稀なほど壮大なスケール感をもつ高瀑。直瀑としては日本有数のスケールをもつ高瀑では、新緑や紅葉の季節をはじめ、厳冬期の荘厳な氷瀑など四季折々の絶景に出会えます。
アクセスの悪さから知名度が低く訪問者も少ない高瀑ですが、四国にこれ以上の景観は無いと確信できるほど特別な雰囲気をもった高瀑の魅力を紹介します。
反則級のスケール感が魅力の高瀑(たかたる)
落差132m、日本有数の落差を誇る大瀑布・高瀑。数々の名瀑を擁す四国においても、このスケールは圧倒的です。
水流を中心に翼を広げるように聳える100メートル級の大岩壁は、見る者を圧倒します。
四季を通じて美しい景観を楽しめる高瀑ですが、特におすすめなのが冬の高瀑です。標高1300m、北西の斜面に位置する高瀑は、厳冬期になると壮大なスケールの氷瀑になります。落差132mの岩壁一面を覆う、巨大な氷柱は一つひとつが長さ10mはあろうかという巨大なもの。眼前の景観が現実のものだと納得するのに時間がかかるほど、非現実的な空間です。
訪問時に知っておきたい5つのポイント
1.未舗装林道を利用
高瀑登山口までのアクセスは、石鎚林道を10kmほど利用することになります。石鎚林道の大半は未舗装路で、荒れている箇所も多数あるため、最低地上高の高い車でのアクセスがベター。冬季はタイヤチェーンの携行をおすすめします。
2.林道は通行止めの場合も
高瀑へと続く石鎚林道は崩落による通行止になることが多く、途中から徒歩でのアクセスになることもしばしば。事前に石鎚林道の状況を知りたい場合は、森林組合周桑支所(新しいタブで外部サイトが開きます)に問い合わせる必要があります。
3.登山道は荒れています
訪問者の少ない高瀑では、登山道も荒れ気味。3回の渡渉をはじめ、ルートが不明瞭な場所や危険箇所があるため、地図・コンパスをはじめ、安全装備は必携です。
4.難易度は春<夏・秋<冬
高瀑の登山道は人がほとんど通らないため、荒れています。いちばん簡単に高瀑まで到達できるのは4〜5月の、下草があまり無く、木々の葉がまだ小さくて周囲の視界が良い季節です。それ以降になると、鬱蒼とした木々による視界の悪さと下草により、大幅に難易度が上がってしまいます。また、冬季はアイゼンやピッケルなどの冬山装備が必須となり、より時間がかかるようになるため注意が必要です。
5.苦労の先の絶景
なにかとアクセスの大変な高瀑ですが、苦労の先にはまごうことなき絶景。高瀑を見るためなら苦労も厭わない、熱狂的なファンが多数いるのも高瀑の特徴です。
高瀑へのアクセス
四季ごとの高瀑の景観
新緑の高瀑(5月中盤〜)
5月中盤以降、新緑に包まれる高瀑は、四季の中で一番穏やかな景観です。水流直下は比較的平坦な岩場となっているため、高瀑を見上げながらの日光浴など、ゆったりとした時間を過ごせる季節です。
紅葉の高瀑(10月後半〜11月初旬)
10月後半〜11月初旬、紅葉に染まる高瀑。荘厳な岩壁と穏やかに色づく紅葉が良いコントラストになり、穏やかな雰囲気を感じることができます。
氷瀑の高瀑(12月後半〜2月)
12月後半〜2月、高瀑は凍てつく荘厳な氷瀑に姿を変えます。普段の穏やかな水流とは対照的な、迫力満点の景観を楽しめるのはこの季節ならでは。日本各地の氷瀑の数々と比較しても、とくに素晴らしいスケール感を満喫できます。
高瀑と満天の星空
真っ黒な岩壁に囲まれ、水流の音を聞きながら眺める星空。満天の星空は宇宙を感じるほど鮮明で、わずかな月光に水流が白く光り、異世界さながらの空間です。