四国南西部に位置する唐人駄馬遺跡(とうじんだばいせき)では、足摺半島の山中に密集する、特徴的な巨岩の間を散策することができます。高知県きってのパワースポットとされる唐人駄馬遺跡ですが、太古の生活跡をはじめ祭祀の跡などをいたるところで見ることができ、独特の雰囲気を堪能できること間違いなしです。
巨岩のパワーを心ゆくまで堪能!
巨岩自体、四国においては決して珍しいものではありませんが、唐人駄馬遺跡の巨岩は他の場所のものとは一味違います。唐人駄馬遺跡の巨岩は、天から降ってきたのではないかと思えるほど唐突感のある外観をしていて、パワースポットと呼ばれる理由も自然と納得してしまう空間を作り出しています。
唐人駄馬遺跡を特徴付ける巨岩の数々はそれぞれが独立していて、地盤の隆起というよりは、巨人によって積み重ねられたような雰囲気。この独特な空間がどのようにして形作られたのか、想像するだけでもワクワクしてしまいます。
巨岩の間を縫うようにつけられた散策路は、場所によっては横を向かないと通れないほど狭い場所や・・・
スリル満点の足場を利用する場所も。
もちろん、歩きやすく整備された普通の遊歩道を利用しての散策も可能で、体力に合わせたコース選択ができるのも嬉しいところです。
散策路の中には特徴的な巨岩がたくさん。「亀石」と呼ばれる丸みを帯びた岩をはじめ・・・
刃物のように鋭利な岩も。
唐人駄馬遺跡の巨石群からは足摺半島越しの太平洋を眺望可能。気持ちよさそうな草原にはキャンプ場も整備されています。
パワースポットからすぐのキャンプ場で過ごす時間は気持ちいいでしょうね!
キャンプ場周辺には人の手によって積まれたように見える石垣が。
すぐ近くには牧場らしき鉄条網に囲まれた空間もあります。一見するとなんてことない地形にも見えるのですが、斜面に点在する岩々は、唐人駄馬遺跡ならではの雰囲気です。
ちなみに唐人駄馬遺跡の歴史的背景は以下のようなもの。
縄文早期(七千年程前)の玦状耳飾が出土し、足摺半島最古の人類足跡を記したこの台地には、縄文前期(六千年程前)の擬似縄文土器片につづき、石斧、石錐、石鏃、スクレイパー(ヘラ状の器具)などが出土して、縄文早、前、中期及び弥生の土器片、有史時代の須恵器片と併せて、原始、古代の人々の生活がしのばれる。
縄文前期頃には、海汀線は、いまより十五〜二0mも高く縄文海進と呼ばれた。この時代峯づたいに狩りをして歩いた原始人の人々は、冬も暖かく、南向のなだらかな斜面陵丘の続くこの地に住居を定め、海辺に魚貝を獲り、山野に猟をしたことであろう。唐人石と呼ばれるひときわ高く巨大な花崗岩が積重なる岩群は、その下に幾つもの空間をつくり出しているが、これは自然が原始の人々にあたえたビルであり、もの見の塔であり城塞でもあったのではなかろうか。弥生式土器のかけらや、猪囲と呼ぶ石垣の風化は時と人の生活の厳しさを語ってくれる。-唐人駄馬遺跡案内看板-
景観だけでも魅力的な唐人駄馬遺跡ですが、原始の人々の生活に想いを馳せながら巡るのも楽しそうですね!