高知県と愛媛県の県境にある「脇本海岸」を知っていますか?「〇〇のウユニ塩湖」なんて使い古されたセリフが頭をよぎる絶景が特徴です。
このエリアはいかなる地域からアクセスしようとしても難があるのが素晴らしい。高知県民である私でも片道3時間くらいかかります。そのためか絶景とは裏腹に観光地化されていない場所ならではの良さも満喫できます。
水鏡の砂浜「脇本海岸」
きめが細かい砂浜に水が張り、水鏡のようになる脇本海岸。天と地の境界が曖昧に見える幻想的な景観が特徴です。水鏡になっている部分にフォーカスするとこのとおり。〇〇のウユニ塩湖とか言いたくなること間違いなし。
きめ細かい海岸の砂が水で濡れることで水鏡のようになるのですが、脇本海岸ならではの特徴もあります。高知県において水鏡が有名な海岸は沢山あるのですが、それらと脇本海岸の大きな違いは「砂の質」と「水の出所」。どういうことか。
砂の質については高知県の太平洋側、さらに言えば足摺岬の花崗岩が波の浸食で分解されて黒潮に運ばれて形成される”純白の砂浜”と脇本海岸の砂は異なる、ということです。貝殻やサンゴが波によって砕かれ堆積してできあがる”貝殻とサンゴの砂”が脇本海岸の砂の特徴です。
水の出所については完全に推測なので読み飛ばしていただいて構いません。
砂浜が水を含んで水鏡のようになると、大変美しい景観になります。空と海の境界線が曖昧になったような幻想的な景観は筆舌に尽くし難い絶景です。ですが砂浜が水を含むのは雨の後や、潮が引いた後の一瞬だけというのが当たり前です。
しかし脇本海岸は違う。水鏡になる砂浜の条件である平坦な地形をもっていながら、背後の山が結構高い。脇本海岸では背後の山で伏流した水流が海岸で湧出しているように見えます。結果的に、比較的多くのタイミングで砂浜が水に濡れて水鏡になるのではないでしょうか。
海岸全体はこんな感じなのですが、波の跡というには広すぎる範囲が濡れているのがお分かりいただけると思います。とはいってもあくまでも個人的な推測なのであしからず。
ちなみに砂浜中央付近にある小川のすぐ近くに無料のトイレ・シャワーがあります。
砂浜中央付近のタイドプール。タイドプールオブザベスト。こんな美しいタイドプールは初めて見ました。砂浜の中にあるタイドプールということで砂が堆積していて水の透明度がより印象的に感じられました。
西側の岩場を少し進むと海面におちる小さな滝もあります。端まで行っても楽しませてくれる脇本海岸。めちゃくちゃおすすめのスポットです。