【DIY】古民家リノベーションのための物件選び

東京都から高知県に移住した夫婦が、築100年以上の古民家(廃墟)を購入、基本的に夫婦ふたり、たまに友人と一緒にDIYしながら高気密住宅にリノベーションしていく記録です。

記事の内容には裏付けや根拠のない、いわゆる”勘”が多く含まれます。また、古民家は物件による構造や状態のバラツキが非常に多く、当記事の内容をそのまま別の物件に適用できるとは限りません。

リノベーションに必要な最低限の道具については「古民家リノベ|あると便利な道具たち」をご参照ください。

第6回目。240日間の奮闘の末、(自称)高気密高断熱住宅に生まれ変わった我が家。今になって思えば物件選びの段階で知っていればずいぶん楽できたのになあ、ということが多々ありますのでこれから古民家リノベをするみなさんにシェアしておきます。

古民家リノベーションのための物件えらびで重視すべきポイントは何か?Googleで検索してもお役立ち情報に偽装した工務店の広告記事ばかりヒットして、そっとブラウザを閉じた経験がある人も多いはず。

なので、私が築100年の古民家(廃墟)を購入してフルリノベーションしていくなかで事前に知っておきたかった物件選びのポイントを素人目線で選んでみました。だいたいは「知らなかったから酷い目にあった、クソが!」とか、「知らなかったけど得した、ラッキー!」という個人的な体験に基づくリストなので見落としも多々あると思いますが、あしからず。

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物件選びで重視すること

1.致命的な欠陥はないか?

致命的な欠陥とは何か?とか真面目に考えると結構ややこしいのですが、ここではその欠陥の有無で技術面・コスト面で非常に大きな差が生じるものを致命的な欠陥とします。原理的に修復不可能な状態は存在しませんので、ここさえ見ておけば思わぬ労力が生じるリスクを減らせますよ、というリストです。

注意すべきは【構造の腐食・蟻害】【不健全な基礎】【不健全な地盤】の3つです。それぞれ確認していきましょう。

1−1.構造の腐食・蟻害

柱・梁・棟など構造的に重要な、簡単に言えば大きな部材が腐食している場合は要注意です。腐食にも度合いがあり、すでに折れている・変形している、など腐食が激しい場合は修復に結構な手間がかかります。逆に多少の腐食や蟻害がある場合でも、部材断面が大きく健全な部分が残っていれば全然大丈夫なこともあります。

我が家では主に蟻害によって傷んでいる部分が多かったのですが、昔ながらの大径の丸太を利用した古屋組みだったこともあって強度自体はそれほど問題ないと判断。一部修復を行いましたが概ねそのまま使用しています。我が家で修復を強いられたのは、柱の根元付近で大引きが刺さっていた仕口部分の2箇所みです。

ちなみに蟻害を受けやすいのは横部材、それも松材が中心で、柱は若干の損傷で済んでいるのに刺さっている梁は落下寸前なんてこともありました(我が家の場合)。

梁などで上半分くらいが蟻害の可能性がある場合

梁や棟などの横部材が蟻害を受けた場合、上の方から被害が進行する傾向にあります。見た目で上半分くらいに被害が認められる場合、中心付近の損傷は実際に上半分でも仕口部分はほぼ機能しないくらい傷んでいる可能性が高く対策が必須です。

1−2.不健全な基礎

古民家リノベーションを真面目に考えると必ず直面する基礎問題。DIYで基礎に手を入れている記録は皆無で、詳しく調べようにも記事のような工務店の広告ばかりヒットして結局よくわからん!という方も多いでしょう。

我が家は石場建てという古民家ならではの基礎無し状態から揚屋→基礎打設をDIYで行ないましたが、その経験からアドバイスです。

健全な基礎があればベストですが、当然DIYリノベーションするくらいの古民家(廃屋・ボロ屋ともいう)に健全な基礎があることは稀でしょう。基礎なんてどうでも良くてなんとなく綺麗になればOK!というメンタル強い人は別として、耐震性も多少は考慮したい私のような一般人が注意すべきポイントは【不健全な基礎】です。

何をもってして不健全な基礎なのか?素人である私には専門的な知識がなく、直せそうかそうでないかしか分かりませんが、多少壊れていてもコンクリート基礎があれば楽です。基礎を補強するかたちでコンクリートを増し打ちすることもできますし、土台を既存の基礎に固定することもできます。逆に基礎がない石場建ての場合も揚屋(家を持ち上げる倒壊のリスクを伴う作業)する根性があればなんとかなります。一番厄介そうなのが増築や適当な改修によるツギハギの基礎がある場合で、それぞれが不健全だった場合なんかはどうやって直すのか検討もつきません。

1−3.不健全な地盤

地盤の問題もDIYではどうしようもありません。すでに家屋が傾いている・不等沈下しているなどの症状が見られる物件は避けるべきです。

2.立地的な制約はないか?

立地問題で必ず確認して欲しいのが湿度です。傾斜地に立地する我が家では湿度が大きな問題となっていました。気温や日当たりは経験的に判断しやすいかと思いますが、湿度については見落としがちなので注意が必要です。湿度が高くなりにくい立地であれば多少気密性が低くても快適に生活できるかもしれませんが、そうでない場合は結構な湿度対策が必要になります。

もう一つは、アプローチに関する問題です。自宅横に車を横付けできない立地の場合、ゴミ捨て・資材搬入ともに大きな制約となります。できれば2tダンプが入れるとベストなのですが最低限軽トラでもOKです。基礎を打つなど多量のコンクリートが必要になる作業を予定している場合、ミキサー車またはポンプ車(コンクリートを流し込む特殊車両)が作業できるかどうかが非常に重要です。仮にこれらが入ってこられない立地の場合は人海戦術で苦しい作業をすることになります。

3.解体にかかる手間はどのくらいか?

最終的にどのくらいの広さを使用するか事前に検討してください。我が家の場合、当初は離れが点在する古民家らしい間取りが魅力に感じていたものの、結局リノベーションしたのは1棟のみ。床面積でいうと当初250平米あったところ72平米の1棟のリノベーションに240日と600万円を消費して力尽きました。結果的に178平米分の家屋は解体することになりますが、これが結構ツライ。特に2階建ての建物は要注意で、解体に足場が必須になるために高コストなことに加えて高所作業が多くて危険です。

立派な古民家もステキですが、セルフリノベーションでは労力に限りがあります。理想的には完成形と同じくらいの1棟だけ、という物件があればベストです。

4.周辺環境による制約はないか?

周辺環境により大きく左右される作業があります。建機レンタル・産廃・採石などの業者が近隣にあればかなり楽をすることができます。

そして、結構気づかないのが、隣接する家屋がある場合の養生問題です。古民家の屋根や壁は土を含んでいることが多く、解体の際に多量の砂埃が発生します。隣接する家屋がある場合、解体作業の際などいちいち養生が必要になり、とても面倒です。我が家の場合周辺に家屋がない物件を選んだのでかなり大らかに作業できましたが、結構重要なポイントではないでしょうか。

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まとめ

他にも土壁に偽装したモルタル壁は発狂するほど解体が大変とか、蔵の解体で出る土の量は想像を絶するとか、イロイロあるにはあるのですが、上記に比べたら結構なんとかなる、微々たる問題ですのでご安心を。

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