深夜に東京を出発し、登山口近くに到着する頃にはすっかり明るくなっていました。御嶽スキー場に到着し、少しの休憩をとっていると、早速素晴らしい景色を見る事ができました。
長野県と岐阜県の県境に位置する御嶽山は、3000メートルを超える標高を誇り、日本で2番目に高い独立峰です。登山口もかなりの標高があり、澄み切った空気の中、はっきりと山頂を確認できます。
登山道はかなり整備されていて、悪天候でもない限り、危険な場所はあまりありません。ただ、ハイシーズンという事もあり登山客が多く、場所によっては少しの渋滞を我慢する必要があります。
御嶽山周辺には平地が少なく、町もほとんどありません。見渡す限り人気を感じない風景は、人気観光地というよりは秘境といった感じです。
ハイマツの登山道を抜け、山頂付近に差し掛かると、噴火によりできたガレ場が多くなってきます。いたるところで蒸気が噴出する無機質な景観が、先ほどまでの緑と綺麗に対比し、御嶽山ならではの景観をつくりだしています。
しばらくのガレ場を乗り切ると、御嶽山最高峰、剣ヶ峰に到着。噴火により形成された広大な平地と、3000メートル級の外輪山を一望できます。剣ヶ峰からは幾つかのルートに分岐するのですが、外輪山沿いに噴火口を1周するルートをとりました。
外輪山に足を踏み入れるとほとんど人気はなく、マイペースに景色を楽しむ事ができました。外輪山から望む裾野は、どこまでも山々が折り重なり、宇宙を感じさせる空の青さが、めまいがするほどのスケール感を持ってどこまでも広がっています。外輪山は全体的にガレ場が多く、足場には注意が必要ですが、景色は御嶽山の中でも一番良いのではないかと思います。
外輪山の終着点、二ノ池。枯れることのないこの池は、強烈な陽光を反射して、青とも緑ともいえない美しい色をしていました。隣の斜面には雪が残り、涼しい湖畔での休憩は登山で疲れた体を急速に癒してくれました。
二の池を後にし、剣ヶ峰に引き返します。
剣ヶ峰から駐車場に向かって下山開始。下山途中の景色も壮大で、最後まで楽しむ事ができました。