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四国の沢登り

ゴルジュクラブが執筆しました

愛媛県・高知県・徳島県(香川県に沢登り向きの渓谷は存在しない)それぞれのオススメ渓谷リストです。関西起点沢登りコース100・日本登山大系等に記載の沢に加え、GORGE CLUB開拓の沢を含めた、厳選した沢だけ掲載。

『(四国の)沢登りに関してはネットでの情報が極端に少ない為、書籍頼みになる』(某著名沢ヤ ブログより)。

情報がなくて四国の沢のことがよくわからないそこの君。これが四国で行くべき渓谷リストだ。

四国の定番沢登りコース

【注意】有名どころ以外の渓谷は水線突破ラインの難易度をベースに、高巻きが容易な地形の場合はグレードを下げています。実際に高巻きラインを確認しているわけではないので注意。

初級:テキトーでOK(1級)
中級:ある程度の経験が必要(2〜3級)
上級:一般的ではない(4級〜)

愛媛県の沢登りコース

面河渓本流

初級|日帰り(巻き主体)
上級|1泊2日(直登)

下部に大水量ゴルジュ、中部に牧歌的な花崗岩ナメ、上部に日本百名瀑「御来光の滝」を擁し、日本百名山の石鎚山に突き上げる四国を代表する渓谷。入渓直後の水量は四国最大級で本流遡行ならではの醍醐味を味わえる。花崗岩を主体とした明るい渓相が特徴。

一番の難所となる下部ゴルジュは並走する遊歩道で容易に回避でき、御来光の滝も右岸から容易に巻ける。下部ゴルジュはエイドクライミングを要する登攀・御来光の滝は左壁から登攀可能でパーティーの力量に応じたコース取りができる。

巻き主体の一般的な行程では日帰りが可能なもののコースタイムは長い。石鎚スカイライン上部「土小屋」に車をデポすれば下山をショートカットできる。御来光の滝高巻き道途中から下山道にエスケープする踏み跡がある。石鎚山山頂から入渓点まで歩いて下山する場合は3時間。下部ゴルジュ・御来光の滝の登攀をする場合は1泊2日必要。泊適地は各所にある。

2023.08.29 面河渓|沢登り|下部ゴルジュ〜御来光の滝登攀

坂瀬川

中級|日帰り

文句のつけようがない名渓。四国の名渓オブザベスト。入渓地点からすぐに四国らしい変性岩泳ぎゴルジュがはじまり、中部で花崗岩のスッキリとした渓相になる。岩質が変わってすぐに見栄えの良い滝が数本連続し、滑床の癒し渓となる。勾配のない渓谷でロープが必要な箇所は少ないが水線突破する場合はそれなりのタクティクスが必要。

ほぼ全ての滝が直登可能で、巻きは容易かつ下山も並走する林道で2時間と沢登りのためにあるかのような渓谷。下部ゴルジュは四国では珍しい泳ぎ系ゴルジュで、水量次第で大きく難易度が変化する。いずれにしても巻きが難しい渓谷ではない。

周辺の植生は石鎚山らしく落葉樹の美しい樹林が続き、同じ滑床といえ紀伊半島や九州のそれとは一線を画す。

鉄砲石川

初級|日帰り

四国の癒し渓代表。さしたる難所はなく、釜やナメが連続する。上部に若干緊張を強いられる滝が数本現れるがどれも10m未満かつ岩がしっかりしているので落ち着いて挑めば問題は無い。

四国の沢で沢登り初心者をエスコートするなら鉄砲石川がベスト。初っ端からため息が出るほどに美しい大釜を携えた滝を抜け、50mを越す迫力の岸壁や天まで伸びる支流のスラブ滝を拝みながら、ただただ美しい花崗岩の沢ハイキングとなる。二俣を左にとると大型車が行き違えるほどの滑床がしばらく続く。原頭部でいくつかの滝を越えると、最後は四国山脈ならではの笹原に詰め上がる文句のつけようがない名コース。

源頭まで上り詰めると石鎚山を望む絶好の縦走路に飛び出す。下山は3時間。

千段滝沢

初級|日帰り

鉄砲石川の支流。その名の通り、最初から最後まで標高差600m以上の連瀑帯が続く。ロープが必要かどうかはパーティーの力量次第で、熟達者であれば全ての滝を快適にシャワークライムできる。源頭から稜線の藪漕ぎがウザい。稜線に出てもそれほど明瞭な踏み跡があるわけではなく、下降路のセンスが問われる。

瓶壺谷(右俣)

上級|日帰り

 

四国三悪渓のひとつ。瓶壺谷右俣に足を踏み入れてからの標高差600mは全てコンティニュアスな連瀑帯。脱出困難な地形で滝の直登もしくは渋い高巻きの連続となる。大連瀑帯を抜けるとすぐに名峰「瓶ヶ森」の笹原を流れる滑床に飛び出し、そのまま登山道へと合流する。瓶ヶ森登山口に車をデポできるなら下山は0.5時間。歩いて下山する場合は3時間。

2023.08.24 瓶壺谷(右俣)|沢登り完全遡行

西種子川

中級|日帰り
上級|1泊2日(魔戸ゴルジュ登攀)

入渓直後に魔戸の滝(40m)から続く総落差150mの魔戸ゴルジュを擁す。魔戸ゴルジュは断片的な記録こそあるものの、全体を通して下部から登攀した記録はなく、キャニオニングでしか進入不可のセクションもある(2024.11.20魔戸ゴルジュ初登)。

全般的によくまとまった渓谷だが、魔戸ゴルジュを除けばそれほど特筆すべき点はない。魔戸ゴルジュ中間(屈曲部)から入渓すると直後にロープを要する高巻きが2回連続する。一般的な魔戸ゴルジュ上部からの入渓であれば最後までロープは使用しない。

全体的に巻き主体の沢登りとなるため、遡行図を事前に確認しておけば難しい部分はない。

赤石山系北面の渓谷は水の色が独特だ。写真に表現できなくて恐縮ではあるが、青く寒々しい水の色をしている。日本100名渓に選ばれているのも納得の渓相、ではあるが高巻き主体になるのが玉に瑕。下山は並走する登山道で2.5時間。

2024年11月、魔戸ゴルジュが水線突破できることを確認。魔戸の滝登攀〜魔戸ゴルジュ水線突破〜源頭のコースをとる場合1泊2日ないし2泊3日となり、さぞ充実するだろう。

2023.09.24 魔戸の滝初登

瀬場谷

中級|日帰り

大滝「八間滝」

大滝を含め全ての滝が容易に直登できる、沢登りのためにあるかのような渓谷(某有名ガイド本の紹介文)。四国の沢登りコースで1.2を争う人気で中級の沢入門編。登りやすい滝が多くシャワークライムを存分に満喫できる一方でゴルジュ地形がないのは残念。ゴーロ帯が無く間延びしない名渓であることは確か。

大滝「八間滝」も技術的には難しくなく登攀可能だが一般的には高巻きとなる。

滝を直登できるという点において人気を集めるのは納得だが、ゴルジュ地形がないのがは残念。あくまでもシャワークライミングを楽しむための渓谷である。下山は並走する登山道で2時間。

肉淵谷

中級|日帰り

下部に直登可能で見栄えの良い大滝が連続する。小渓谷ではあるが滝の登攀を楽しむにはうってつけの渓谷。滝の登攀にはロープ必須のため初級者だけでの挑戦は控えたい。いずれの滝も高巻きは容易。

上部には小ゴルジュが断続し力量に応じてコースどりできる地形も相まって楽しませてくれる。下山は1本東の小渓谷を下ると滑床・大滝など結構楽しめる。2.5時間。

中流部の側壁に大瀑布「肉瀑(2023.08.25|初登)」がある。

伊予富士谷

中級|1泊2日

四国では珍しい泊まり沢。さしたる難所はないが急峻な地形での高巻きはルートファインディングミスで大きく時間ロスする可能性があり、中級者向け。有名な二股のスケール感は噂通りの四国離れしたもの。

源頭まで上り詰めると人気のハイキングコース「伊予富士」支尾根にあるカッコいい岩峰に飛び出る。2つの岩峰を越えながらシャクナゲの藪漕ぎ小1時間でよく整備された登山道に出る。伊予富士最寄りの登山口(瓶ヶ森林道上)に車をデポすれば下山は1.5時間。車をデポしない場合は舗装林道歩き3時間が追加となる。

全体を通して特筆すべき難所はないものの、ロープが必要なクライミングが数カ所あり、ルートファインディングで大きく難易度が変わる高巻き・詰めの急登など沢登りの総合力が試される。

床鍋川

初級|日帰り

多くの滝が直登可能で、上部は開放的な空間での沢登りとなる。初心者を案内するのによく使われる渓谷。

大滝登攀が容易で、そこから続く上部ナメ地帯も快適に遡行可能、下山も簡単なのが親しまれる理由か。初級と中級の中間くらいに位置する渓谷で、ロープなしでは心許ないが必須ではない。

世界で2箇所しか産出されない貴重な「エクロジャイト」が源頭部に散見される。下山は並走する登山道で2時間。

足谷川

上級|日帰り

四国三悪渓のひとつ。終始ゴルジュ地形の泳ぎ渓。一般的には四国最難関とされている。

経験を積んだ沢ヤにしか突破を許さない厳しいゴルジュが終始連続する。顕著なゴルジュが連続する沢は四国では珍しく、それだけでも遡行価値が高い。水線突破ラインを取る場合、日帰りゴルジュとして全国的に有名な渓谷の数々と比べても全く引けを取らないことはもちろん日本最高峰の楽しさだと断言できる。

沢登りの対象となるのは国道沿いの入渓点から別子銅山の産業遺跡地帯「東平(とうなる)」までの区間で、それより上は特筆すべき点のない渓相となる。東平からの下山は登山道で1.5時間。入渓点から10分の場所に温泉併設の道の駅がある。

2023.10.11 足谷川(愛媛県)|沢登り|下部〜上部ゴルジュ ワンプッシュ

高瀑渓谷

中級|1泊2日(下部ゴルジュ高巻き)
上級|1泊2日(水線突破

四国三悪渓のひとつ(GORGE CLUB推薦|ほんとうは松ヶ谷がこのポジションだが、こちらは小水量でボロいだけの渓谷)。50cmゴルジュにはじまる突破困難なゴルジュ帯をもち、源頭部には落差132mの西日本第二の大瀑布「高瀑」を擁す渓谷。

中部の50cmゴルジュから続く下部ゴルジュ帯は限られたものにしか通過を許さない厳しさをもつ。高巻いてしまうと並走する林道に飛び出し、全てすっ飛ばしてしまうので面白みにかける。水線突破できる力量があれば滝・ゴルジュ共に1級品で、四国を代表する名渓。

高瀑で遡行を打ち切るのが一般的で、下山は登山道1.5時間+林道4時間。

2023.08.27 高瀑渓谷|沢登り|下部 – 上部ゴルジュ完全遡行

滑床渓谷

初級|日帰り

延べ数キロにわたる花崗岩の滑床をもつ渓谷。日本の滝百選に選ばれる大スラブ滝「雪輪の滝」を擁す。厳しい地形はなく、登山道が並走するため沢靴さえあればハイキング感覚で沢歩きを満喫できる。滑床ばかりが注目されがちだが、源頭となる鬼ヶ城山系は四国きってのブナの巨木林を擁す山域で、新緑や紅葉の時期は沢登りからの縦走ハイキングが最高。下部セクションではキャニオンニングツアーも盛んに行われている。

四国最果て(四国最果てということは日本最果てとも言える)エリアに位置していて、四国の他の渓谷とは明らかに異なる特徴を持っている。全くの初心者でも沢靴さえあれば楽しめる貴重な1本。

下山は千畳敷から登山道で1時間。縦走コースからはコースどりによるが2.5〜4時間。

ハト谷

中級|日帰り

四国を代表する険渓『瓶壺谷』を擁する名古瀬谷界隈の1本であるハト谷。名古瀬谷の上流にある四本の支流のうち一本。

名古瀬谷の支流はどれも小規模の渓谷ではあるが個性的なものも何本かある。ハト谷もその一本で、ゴルジュ地形と中規模滝が繰り返し現れて遡行者を飽きさせない。多くの滝が登攀可能なだけでなく、登攀が厳しい滝も絶妙な小巻きラインが用意されていて快適に遡行できる。

ハト谷(右俣)|沢登り

高知県の沢登りコース

安居渓谷(弘沢)

初級|日帰り
上級|日帰り(直登)

仁淀ブルーで有名な安居渓谷の支流。さしたる難所はなく、全ての巻きが5分で終了するコンビニ系癒し渓と侮るなかれ、全ての滝が直登可能で登攀系の沢としても見逃せない1本。

コンティニュアスではないが間延びすることもなく、バリエーション豊かな滝が次々と現れて楽しませてくれる。なかでも中部のゴルジュ地形の斜瀑(容易に直登可能)から続くプチゴルジュや白眉「屏風滝」など単体でも特異性を持つ地形を擁す。

高知県で一般的な沢登りコースは安居渓谷1本しか無いことになっている。他にも沢山良い沢があるが、その中でも確かによくできた渓谷で、初心者から上級者まで楽しませてくれる懐の深さがある。

脱渓点に車をデポできればツアーさながらのリーズナブルさで下山可能。そうでない場合は2.5時間の林道歩きとなる。

中追渓谷

初級|日帰り

高知市内から程近いエリアに位置する中追渓谷は、短い区間に個性的な滝を連続させる渓谷で、小さいながらいくつかのゴルジュもある。単体で印象に残る地形や滝もいくつかあり、短いながら遡行内容は濃い。直登できない滝には小巻きラインが用意されているため、初心者でも比較的親しみやすい渓谷と言えるだろう。

中追渓谷|仁淀川支流|沢登り

大野椿山川右俣

上級|日帰り

渓谷登攀の対象となる渓谷のなかで、愛媛県の足谷川と並び四国最良と呼べる1本。下部ゴルジュの4mを除き全ての滝が直登可能。大釜を要す滝が連続し、終始脱出困難な地形が登攀のモチベーションを高めてくれる点も良い。滝の数・クオリティ共に申し分なく、上級者でしか味わえない沢登りの醍醐味を味わえる。

大野椿山川右俣|仁淀川支流|沢登り

大野椿山川左俣

上級|日帰り

四国のスーパーゴルジュ(青)。四国最強のゴルジュ連瀑帯。

水平距離150mに標高差100mの連瀑帯を内包する一続きのゴルジュ帯で、ゴルジュ内最大の『蒼穹の滝』の落差は50m。ゴルジュ滝として四国で群を抜いて大きく、全国的にも珍しい大スケールのゴルジュ大滝だ。

大野椿山川左俣|仁淀川支流

中ノ川川

上級|日帰り(中部ゴルジュ突破)

中部の核心ゴルジュより下流は間延びしている。核心ゴルジュは大滝を擁す連瀑となっていて、そのどれもが直登可能。核心ゴルジュ大滝30m上部からの眺めは格別。脱渓は瓶ヶ森林道に車をデポできるなら0分。そうでない場合は結構ダルい尾根の下降2.5時間。

中ノ川川|吉野川支流|沢登り・キャニオニング

足谷川

初級|日帰り
上級|日帰り(水線突破)

高知の遡行記録のない渓谷。愛媛県の有名な足谷川とは別物。

勾配のない渓谷で並走する林道へ容易に脱出できるためシビアさはない。繰り返し現れるゴルジュ地形を伴う滝はどれも直登可能。水線突破する場合はエイドクライミング技術が試される。

足谷川|吉野川支流|沢登り

長滝川

中級|日帰り

水平距離200m総落差100mの一続きのゴルジュ連瀑帯を内包する渓谷。ゴルジュと呼ぶべきかどうか微妙な地形をしていて、ロープなしでも高巻ける。だが、総落差100mの連瀑帯は四国では珍しく、その点だけでもユニーク。

長滝川|安田川支流|沢登り

徳島県の沢登りコース

泉谷

中級|日帰り

大釜を擁す滝が連続する泳ぎゴルジュ。ほぼすべての滝が直登可能で、瀑水に逆らっての泳ぎ・ボルダームーブなど滝突破の醍醐味を味わえる。一般的に沢登りの対象とされる四国の渓谷の中では集水域が大きく、迫力がある。

泉谷|那賀川支流|沢登り

大用地谷

中級|日帰り

直登できる滝が連続し、大釜・水路など見栄えも良い。意外にも巻きにくい地形をしているが中級者以上の沢屋であれば文句なしのシャワークライムを堪能できる名渓だ。

大用地谷|那賀川支流|沢登り

新居田川

初級|日帰り(下部ゴルジュ高巻き)
上級|日帰り(下部ゴルジュ キャニオニング)

徳島県那賀町に位置する新居田川は入渓直後に始まるゴルジュに総落差120mの連瀑帯を内包している。

新居田川|那賀川支流|キャニオニング

大美谷川

初級|日帰り

徳島県の沢登り激アツエリア那賀川流域のコンビニゴルジュ代表。登攀力のあるパーティーなら下山を含め2時間程度で周回できるコンビニゴルジュだが、泳ぎボルダー系の滝を10本以上内包している。

大美谷川|那賀川支流|沢登り

冷谷

初級|日帰り
上級|日帰り(核心ゴルジュ突破)

四国のスーパーゴルジュ(緑)。徳島県海陽町は野根川の支流「冷谷」。低山連なるエリアに魅惑のゴルジュが存在する。

冷谷|野根川支流|沢登り

トチグルス谷

初級|日帰り

遡行記録のない渓谷だが、入渓直後から始まるゴルジュ地形、その後も断続的に現れるゴルジュ滝は沢登りの対象として非常に魅力が高い。

そのほとんどが直登可能で、登攀系の沢としての資質がある。一方ですべての滝を小巻きできるリーズナブルさも併せ持つ。

小渓谷ゆえ平水時は面白みに欠ける。

2023.08.13 トチグルス谷(徳島県|神山町)|沢登り

かずろう谷川

初級|日帰り

いくつかの特徴的な大滝と小ゴルジュを内包する渓谷。高巻きが容易な地形をしていてアプローチ・下山も容易なため初心者のエスコートにも最適と思われる。

2023.08.12 かずろう谷川(徳島県|つるぎ町)|沢登り

中谷

上級|日帰り

徳島県に未踏のゴルジュ沢があるらしい。2022年夏、徳島県の沢ヤが敗退記録を公開した中谷は、その後挑戦した地元パーティーもゴルジュ入り口で跳ね返し、その全貌は謎に包まれていた。

中谷|那賀川支流|沢登り

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