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【DIY・費用公開】古民家リノベーション|基礎・耐震・気密・断熱

東京都から高知県に移住した夫婦が、築100年以上の古民家を購入、基本的に夫婦ふたり、たまに友人と一緒にDIYしながら高気密住宅にリノベーションしていく記録です。

裏付けや根拠のない、いわゆる”勘”を多く含みます。また、古民家は物件による構造や状態のバラツキが非常に多く、当記事の内容を、そのまま別の物件に適用できるとは限りません。

リノベーションに必要な最低限の道具については「古民家リノベ|あると便利な道具たち」をご参照ください。

第5回目、完成。第4回目以降ずいぶん端折りますが、完成しました。ちなみに高気密・高断熱というのは、隙間がなくて屋根・壁・床が断熱されている、くらいの意味で、多分2000年台の標準的な新築くらいの性能なんじゃないかと思っています。

DIY古民家で過ごす冬

古民家リノベーション|あると便利な道具たち

完成

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家がオシャレすぎてナイスな観葉植物に見えるが裏山に植える予定の山椒である

なんやかんやで完成。この家に住み始めて3年3ヶ月、本格的に(それ以前もちょくちょくやってたけど)リノベーションを始めてから1年7ヶ月の期間がかかりました。

暇を見つけては、というより仕事をサボる口実としてリノベーションをしていたこともあって、かなりの時間、平均して週に3日くらいは時間を割いていたので、実働でも240日くらいは掛かっている計算です。

ちなみに完成とはいっても、現代の住宅として最低限必要な性能・機能や南国高知で快適に生活できる断熱性・気密性が備わっているってだけで、庭の整備や細かい仕上げなどはまだまだこれから。DIYリノベーションでは新築のようにキレイに完成とはいかないのです。

総額:600万円

ビフォー

ビフォー。これはこれでいいじゃん!と言われることも結構多いが床は波打ち隙間風に震える廃屋だ。

リノベーションに掛かった総額は約600万円。

電気工事など法的な制約がある作業を除いて基礎打設や耐震化を含めほとんどDIYしましたし、仕事で取引のある建材屋からある程度の資材を卸値で仕入れられたにもかかわらず意外と掛かりましたね。

2020年後半までに大半の木材を仕入れたこともあり、昨今しきりに騒がれている物価高騰の影響はそれほど無かったのですが、それでも600万円もの費用がかかったのは耐震・断熱など表面からは見えない部分だけで100万円以上の材料費がかかったことが原因です。

仮に、耐震・断熱はそこそこに、水回りや見た目のリノベーションをメインにするのであれば300〜400万円くらいで十分きれいにリノベーションすることができるでしょう。

修復不能もしくは埋設物の障害になる建物は解体

修復不能もしくは埋設物の障害になる建物は解体

ちなみに600万円の内訳に、ゴミの廃棄費用・不要な建物の解体費用(DIYのため主に建機レンタル代)約50万円が含まれています。

これから古民家リノベーションする貴方へ

私にとって古民家リノベーションは想定外の連続、というかよくわからないまま突き進むしかないところも多々ありました。そこで、今後DIYリノベーションをしようという人が、参考になる、もしくは少しだけ心構えができるように、いくつかランキングを掲載します。

高額な資材

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1.システムバス(ユニットバス):120万円(定価)

一番高額だったのはシステムバスで、実際は卸値で仕入れたのでずっと安かったのですがそれでも一番高価な資材でした。DIYリノベーション界隈ではバスルームをDIYする方も居るようですが、信頼性や利便性の観点からシステムバスを採用しました。易きに流れたともいえます。

2.屋根板金:45万円

次いで高額だったのが屋根板金です。システムバス同様、素人の水じまいは信用できないので業者に外注。瓦おろしから屋根耐震・断熱・通気層の確保・防水などはDIYしたので板金のみの費用です。

3.基礎コンクリート:30万円

基礎打設の際に手配した生コン費用です。生コン代が22万円、ポンプ車が8万円の内訳で、型枠や配筋などはDIYしているので費用に含まれません。

その他

その他の高額な資材としては、断熱材・外壁化粧材・建具ガラス・フローリングなどがありますが、たくさんありすぎるので省略。基本的には面積が大きいものや水回りは高額ですね。

古民家リノベ|あると便利な道具たち」に掲載の工具類の費用は含まれていないので注意。これらは最低限必要なものだけ揃えた場合、10万円くらいが目安でしょうか。

難易度が高い作業

1.揚家・基礎打設

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圧倒的に難易度が高かったのが揚家からの基礎打設です。DIYリノベーションで資材や技術に制約がある中、家が倒壊するんじゃないかという恐怖と戦った3週間でした。難易度が高いことはもとより、失敗した時のリスクも高く、二度とやりたくないです。

2.伝統工法による柱継

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次いで難しかったのが伝統工法による柱継です。ただ、「揚家→基礎打設」とは決定的に異なる点が二つあり、一つめは家が倒壊するような作業ではないこと、二つめは 添え柱+金物 など代替工法があるということです。

ただ、化粧柱として見た目の効果は高く、”やった感”は抜群です。

3.小屋組の耐震化

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3番目は小屋組部分の耐震壁で、有機的な形状に合わせながら構造用合板を張っていく作業は、難易度はそこそこですが、とても消耗する作業でした。実際問題としては構造用合板の上から防水透湿シートを施工するので多少の隙間が空いていても問題なさそうですが、我が家となると少しでも隙間を減らすよう手間をかけてしまい、結果的に作業のしんどさでは1位だったような気がします。ただし、丸太が露出した真壁にこだわらず、テキトーに大壁にしてしまえば結構簡単かもしれません。

こうやってランキングにしてみると、フローリングや塗装など表層のリノベーションではなく、構造のリノベーションが概ね大変だったように感じます。一般的なDIYリノベーションでは床や壁の張り替えなど表層のリノベーションが作業の中心になりますが、これらはそれほど大変ではないのでご安心を。

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役立ったもの

作業工具は別として、ある無しで大きく進捗に影響するであろう、役立つものリスト。

1.大工の友人

友人でなくとも、気軽に相談できる大工がいると非常に心強いです。労働力としてではなく、知恵袋として役に立つことが多く、ググってもはっきりとしない、ケースバイケースの状況に対応しやすくなります。

2.建材屋

システムバス・トイレ・窓ガラスなど、あらゆるものを定価の半額以下で仕入れられるので、コスト面で非常にメリットが大きいです。システムバスやトイレなどを仕入れる場合、法人もしくは個人事業主として取引できるのがベストですが、現地・現金払いならば個人で取引できる建材屋もあります。

3.建機レンタル屋

不要部分の解体、整地や資材搬入など何かと必要になる建機ですが、いちいち外注すると相当なコストがかかります。構造に手を入れるリノベーションではダンプカー・バックホーあたりは必須になるため、近場でレンタルできると便利です。

古民家リノベーション|あると便利な道具たち

まとめ

古民家リノベーションといってもその内容は人それぞれです。もうちょっと標高の高い立地が良かったかもとか、元から基礎がある家にすれば楽できたとか、今でこそ考える事はありますが、基本的には多大な時間をかけてDIYリノベーションした我が家はイイですね。

次回はこれから物件を選ぶ貴方へ、素人が古民家リノベーションのための物件を選ぶときに気をつけるべきポイントをまとめてみようかと思います。

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