「天空の道」と呼ばれる高知県と愛媛県にまたがるドライブコースを知っていますか?四国山脈の尾根を27kmにわたり貫く「UFOライン」は、最高地点の標高が1690mもある天空のドライブコースです。
太平洋から瀬戸内海まで一望できる大パノラマ、四国山脈ならではの笹原・雲海・紅葉・霧氷など、四季折々の大自然を堪能できるUFOライン(瓶ヶ森林道)。ドライブ・ツーリングによし、ハイキングによし。それでいて混雑することがなく、四国きっての絶景を独り占めできる。四国観光をするなら最初におすすめしたい、UFOライン(瓶ヶ森林道)の魅力を紹介します。
愛媛県は道後温泉、高知県は桂浜、なんて言ってるあなた。UFOライン(瓶ヶ森林道)を見ないで帰るなんて、損してませんか?
※運転にご注意を
紅葉シーズンは一番混雑する時期なので安全運転を心がけてください。1.5車線くらいしかないセクションが多く、落ち葉が堆積している部分もあります。来訪者増加の影響もあり車道から墜落する事故が何度も発生していますのでご注意を。
四国一の絶景を満喫!UFOライン(瓶ヶ森林道)
瓶ヶ森林道(かめがもりりんどう)は、高知県吾川郡いの町にある林道。地元ではUFOライン、町道瓶ヶ森線とも呼ばれる。瓶ヶ森沿いの尾根を走る道。旧寒風山トンネル高知県側出口より、石鎚スカイライン終点まで延長27キロメートルの舗装林道である。晴れた日には石鎚連峰はもとより、土佐湾まで見渡すことができる。瓶ヶ森から5キロメートル下った石鎚山側にシラサ峠山荘(標高1,406メートル)があり、これより西側は愛媛県側となる。-wikipedia-
四国山脈の尾根の上を27kmにわたり貫くUFOライン(瓶ヶ森林道)は、最高地点で1690mもの標高があります。標高1982mの石鎚山を最高峰とする四国において、UFOライン(瓶ヶ森林道)の1690mという標高はまさに”四国のてっぺん”という雰囲気で満ちています。
UFOライン(瓶ヶ森林道)は、四国5位・西日本7位の標高を誇る「瓶ヶ森」まで1時間で登頂できる登山口が沿線にあることからもわかるように、まさに「天空の道」なのです。西日本屈指の「天空の道」から見下ろす、太平洋から瀬戸内海まで一望できる大パノラマは、四国のなかでも特別な絶景です。
なお”林道”とはいうものの、舗装路なのでご安心ください。また、混雑することがほとんどないため、絶景を独り占めできるのも魅力のひとつです。2018年、トヨタ・カローラのCMに起用されたことで来訪者が増加しています。渋滞するほどではありませんが、対向車にはご注意ください。
UFOライン(瓶ヶ森林道)は、日本を代表するドライブコースと比較しても、まったく遜色のない眺望が魅力のドライブコースです。定番の楽しみかたはドライブ・ツーリングですが、近年はサイクリングスポットとしても人気を集めています。尾根沿いに道がつけられている区間が大半を占めるUFOライン(瓶ヶ森林道)では太平洋から瀬戸内海さらには石鎚山まで見渡せる大パノラマを満喫することができます。
何故UFOラインはユニークなのか?
日本各地に存在するドライブコース。それぞれが素晴らしく、人気を集めているなかで、なぜ私がUFOラインを絶賛するのか。その理由はUFOラインのユニークさにあります。
なぜ UFOラインがユニークなのか?その理由を探るために日本国内の有名なドライブコース、なかでも山岳路の定番(私が個人的に景観が優れると感じるもの)を確認してみましょう。
- 知床峠
- 十勝岳温泉美瑛線
- 美幌峠
- 磐梯吾妻スカイライン
- 滋賀草津高原ルート
- 白山スーパー林道
- 西伊豆スカイライン
- 四国カルスト
- UFOライン(瓶ヶ森林道)
- 阿蘇周辺(外輪山含む)
- えびの高原
羅列して初めて鮮明になるUFOラインのユニークさ、それは「火山ではないのに景観が素晴らしい」この1点に尽きるでしょう(四国カルストも火山ではない)。
一覧の中で火山活動と関係のない地形は「UFOライン」「四国カルスト」のみ*。火山活動による造形美は素晴らしいもので「十勝岳温泉美瑛線」などは私が10代の頃に訪問して衝撃を受けましたし(このエリアの森林限界は千米くらいしか無く別世界)、「磐梯吾妻スカイライン」「阿蘇周辺」なども一生のうち一度は訪れるべきと断言できます、
*秋吉台などは”山岳路”と呼べるか不明なため除外
では、UFOラインの素晴らしさとは何か?それは”火山ではないのに優れた景観”にあるのではないでしょうか。
そもそも、四国には火山がありません。温暖な気候の影響で、森林限界を超える山岳はなく、最高峰の石鎚山でも稜線付近を除けば樹木が生い茂る環境です。
その様な環境の中で、UFOラインはほぼ全域にわたり稜線につけられた車道から、”非火山”の山岳風景を堪能できるのが魅力と言えるでしょう。
そもそも、火山でない山岳風景とは何でしょうか?UFOラインでは、ときにブナの原生林を、ときにアケボノツツジの梢の下を、ときに360度のパノラマを眺めながら、ドライブすることになります。UFOライン以外の、火山によって造形された地形では、概して荒涼とした無機質な景観となることが多く(それが魅力でもある)、UFOラインはそれらとは一線を隠す環境をもっています。
そもそも、火山でも無く、高山でもない場所は”薮山”とでも言うべき環境で、最高峰ですら2000mに満たない四国の山岳もその例に漏れないのですが、UFOラインだけは別で、その全域にわたり尾根につけられた車道はギリギリ”薮”を回避していて、四国山脈の稜線らしい、笹やブナに代表される高山の植生を堪能させてくれるのです。
ハイキングも楽しめるUFOライン
UFOライン(瓶ヶ森林道)はハイキングにも人気のスポットで、車道はもちろん並走する遊歩道を利用しての散策など、”四国の屋根”とも呼ばれる尾根を気軽に散策することができます。
車道よりもさらに景色の良い遊歩道からは、瀬戸内海など愛媛県側の眺望を満喫しながらのハイキングを楽しめます。
周辺の瓶ヶ森や伊予富士は標高2000mに迫る本格的な山ですが、UFOライン(瓶ヶ森林道)を利用して山頂最寄りの登山口まで行けば、それぞれ1時間ほどで登頂することができます。
登山はちょっと・・・という方は車道沿いの散策がオススメ。特に「よさこい峠」〜「山荘しらさ」の間にはブナの巨木林があり、四国の中でも特に豊かな植生や清々しい木漏れ日を堪能することができます。
四国最高峰・石鎚山を様々な場所から眺望できるのもUFOライン(瓶ヶ森林道)の魅力です。ほかにも瓶ヶ森・伊予富士・子持権現などの名峰を眺望できるのも嬉しいところです。
四国の大自然の中心を貫くUFOライン(瓶ヶ森林道)は、四季折々自然の絶景も魅力の一つ。ハイシーズンの夏はもちろん、春には雲海・秋には紅葉・冬には霧氷など、四国の大自然が凝縮されたUFOライン(瓶ヶ森林道)の、四季折々の魅力に是非触れてみてください。
ドライブ・ツーリングに最適
UFOライン(瓶ヶ森林道)の楽しみかたで特におすすめなのが、ドライブ・ツーリングです。”四国の屋根”とも呼ばれる、四国山脈の尾根を27kmにわたり貫くUFOライン(瓶ヶ森林道)。四国最高峰・石鎚山をはじめ、太平洋や瀬戸内海まで眺望できる大パノラマのなか、爽快なドライブ・ツーリングを満喫できます。
UFOライン(瓶ヶ森林道)は全域にわたり舗装されているため、車種を問わず安心して走行できますが、落石と対向車には注意してください。
UFOライン(瓶ヶ森林道)には「子持権現」などの絶景スポットが多数あるため、スピードを出さずにゆっくりと、ときには車を停めて景色を楽しむのがオススメです。絶景スポットの多くは車道沿いにあり、本格的な山岳風景を手軽に楽しむことができます。
UFOライン(瓶ヶ森林道)はアケボノツツジの名所としても有名で、ゴールデンウィーク前後になると、いたるところでアケボノツツジが開花します。全長27kmということもあり、様々な環境のなかでアケボノツツジを楽しむことができます。
UFOライン(瓶ヶ森林道)と石鎚山は隣接していて、様々な場所から石鎚山を眺望できます。とくに、早朝に見られる霧に包まれた石鎚山は美しく、是非とも見てほしい絶景です。
ハイキングなどのアクティビティにも
ドライブやツーリングだけでも十分に楽しめるUFOライン(瓶ヶ森林道)ですが、車道沿いの登山口からのハイキングもオススメです。UFOライン(瓶ヶ森林道)から無数に伸びる登山道からは、それぞれ一時間程度で付近の山々に登頂することができます。
なかでも、名前の由来でもある日本三百名山・瓶ヶ森からの景観は特に素晴らしく、オススメです。夜間の気温が下がった翌日には、四季を通して見事な雲海が出現するなど、お手軽に本格的な山岳風景に出会うことができます。
11月〜4月にかけての霧氷も見事です。早春、積雪が少ない時期には、霧氷と笹原のコントラストが季節のせめぎ合いを感じる絶景をつくりだします。
なお、UFOライン(瓶ヶ森林道)は12月〜4月(天候により前後)の間は冬季閉鎖となり、「寒風茶屋」もしくは「よさこい峠」より先は徒歩でのアクセスとなります。UFOライン(瓶ヶ森林道)の西側の入り口となる「よさこい峠」は積雪状況により手前の「長沢」で閉鎖になることも多く、事前に交通状況の確認をおすすめします。
厳冬期のUFOライン(瓶ヶ森林道)もオススメで、雪に閉ざされた静寂のなか、凍てつく木々を眺める贅沢な時間を過ごすことができます。荘厳な冬景色は本格的な冬山登山さながらですが、あくまでも安全な車道ベースで散策できるのはUFOライン(瓶ヶ森林道)ならではの魅力と言えるでしょう。
紅葉刈りにもおすすめ(10月半ば〜11月前半)
四季を通して美しい景観を堪能できるUFOライン(瓶ヶ森林道)ですが、一番のおすすめなのは紅葉の秋。
極彩色に染まる落葉樹の森と笹原の共演は、UFOライン(瓶ヶ森林道)ならではの絶景です。瓶ヶ森山頂の1897mを頂点として、1100m付近まで様々な標高で紅葉を楽しめるUFOライン(瓶ヶ森林道)。例年、10月半ばになると瓶ヶ森山頂で紅葉が始まり、2〜3週間ほどかけて1100m付近まで紅葉が降りてきます。
見渡すかぎり山々が連なるUFOライン(瓶ヶ森林道)で、刻一刻と変化する美しい景観を追いながら、一日中ドライブするのも楽しいものです。とくに、夕日に染まる紅葉はひときわ美しく、わざわざ見る価値のある景観です。
紅葉の時期には、UFOライン(瓶ヶ森林道)に点在するトンネルも立派なフォトスポットとして訪問者を楽しませてくれます。
訪問時に知っておきたい4つのポイント
1.道幅の狭い区間あり
全域にわたり舗装されていて、車種を問わずドライブやツーリングを楽しめるUFOライン(瓶ヶ森林道)ですが、場所によってはすれ違いが困難な区間もあります。
待避所は至る所に整備されているため、ゆっくり走る分には全く問題ありません。
2.冬季閉鎖・通行止めに注意!
例年12月〜4月までの期間、冬季閉鎖されるUFOライン(瓶ヶ森林道)。天候状況により冬季閉鎖の期間が前後するため注意が必要です。また、車道は険しい斜面につけられているために崩落などで通行止になっていることもしばしば。
時期によりスポーツイベントなどで閉鎖されることもあります。事前に交通状況を知りたい場合は「いの町観光協会」へ問い合わせてください。
3.けっこう寒いので服装に注意
全域にわたり標高1100mを超えるUFOライン(瓶ヶ森林道)では、平地よりも6〜10度くらい気温が低いため通年で防寒着の携行をオススメします。日当たりは良く晴天時は気温以上に暑く感じる場合もあるため、温度調整可能な服装での訪問がベターです。
4.食事を食べる場所
UFOライン(瓶ヶ森林道)付近で食事をとれる場所は、「一の谷やかた」「寒風茶屋」「よさこい茶屋」「土小屋」「道の駅木の香(このか)」です。時期により営業していないことがありますが、道の駅木の香は年中営業しています。もし時期に問題がなく予算に余裕があるなら「一の谷やかた」は雰囲気の良い店内で落ち着いて食事できてオススメです。