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尾白川渓谷|下部〜上部|沢登り|2023.07.19〜20

”高度なゴルジュ突破を目指す者へ”

ここ半年、沢に入り浸り、調子に乗っていた我々には魅力的な課題だった。

登れない渓谷があるわけがない。尾白川だって例外ではないはずだ。尾白川下部 / 上部ゴルジュ1day x 2。

メンバー:ゴルジュクラブ1名|紀伊半島彷徨クラブ1名

執筆「ゴルジュクラブ(四国の沢登り同人)」。

1日目

尾白川渓谷F1

朝から特に会話もなく渓谷沿いの林道を歩く。パートナーとは1まわり近く年齢が違う。共通の話題などほとんどない。

よく踏まれた観光登山道を辿るとF1登場。昨日までの赤石沢で欲求不満になっていた我々にはなんとも魅力的な、妖艶な滝である。

「そうそう、こういうヤツを待ってたんだよ」
「最高ですね、これ。サクッと行っちゃいますか」

下段をフリーで登り登攀開始。簡単そうに見えた水竜横をクライミングシューズで登る。想像以上にフリクションが悪く、というかヌメっていないのに乗れない、というのは初めての感覚だったのだが、置いた足が常にスライドしていくような気持ち悪い感触だった。比較的寝ているセクションですら危うく、傾斜が増すところで断念。スカイフックでロワーダウンしてもらう。

傾斜は立っているが右のクラック沿いを登るしかない。ラインを変え2トライ目。クラックまでは5mほどの距離があり、そのセクションですら気持ち悪かった。クラックに確かなプロテクションを取り核心部へと進む。1mも進まないうちにフォール。

「交代する?」
「いいんすか?」

2フォールで交代と決めていたが、可能性を感じなかったので相方になすりつける。相方は簡単そうなピッチで情けない登攀をする私に不信感を抱いていたようで、俺がやったりますわ、と自信満々で登攀開始。

フォール。

「可能性感じませんわ」
「だよな、いったん戻るか」

つい先程まで調子に乗っていたが無言で登山道まで戻る。私のスマホに入っている「渓○○攀」の遡行図を確認する。

「なんだ、この滝登ってないじゃん」
「だと思いましたわ、無理でしょ、これ」

再び調子に乗り先へと進む。

欲しい場所にリングボルトがある(良いとは言っていない)。

その後はよく覚えていないが結構楽しい滝がいくつかあったと思う。

15m

コイツは左岸から登攀できそうだが水流から離れたブッシュを登るのは趣味じゃない。大人しく高巻く。

尾白川渓谷の渓谷美

大水量の花崗岩渓谷。美しくないわけがない。

不動滝30m

1日目のラスト、不動滝30m。中程まで左からフリー。

その後は残置リングボルトでA1を繰り返す。フリー化できるセクションは少なく、面白みに欠ける滝だった。

予定していた工程を終え、駐車場まで下山して1日目終了。

2日目

10m

矢立石登山口駐車場に車を移し2日目スタート。

不動滝上部から入渓する。泳いで取りつこうとするも水流が強く、右スラブから飛び込んで取り付く。

A0  5ポイント。

5m

10m上部の5mはクラックをA0でトラバース、その後ハーケンでA0を繰り返し抜ける。ハーケン力が試されるピッチ。

1mフリー

続くCS1mはステミングでフリー。

4m

CS1mに続く4mもステミング。

「上の滝もいけそうなんでロープ引っ張って行きますわ」

なんとも頼もしい相棒である。尾白川渓谷のベストラインも確実じゃないか、とニヤケが止まらない。我々が尾白川に新ラインをひくのだ。

 

「やっぱ無理っす!」
「じゃあ降りてきてここから巻こうぜ」
「無理!降りらんない」

若さとは恐ろしいものである。滝から降りられなくなった相方に、滝上ビレイされながら左岸凹角をA1で高巻き。上部残置からロープを出して救出。

次いで現れる洞窟滝。セオリー通り越えるが、時間は14:30。

「予備日あるし、切り上げるならこの辺が帰りやすそうだけどどうする?」
「進みたいですけどねー、ヘッデン下山確定って感じですね。」
「まあ無理しないで明日続きからでいいんじゃない?」

 

20:00、車の中で予報外れのゲリラ豪雨にうたれながら、2日間の好天を引き当てながら遡行を完遂できなかった未熟さをアテにしこたま飲んだ。

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