
いつものように酩酊しながらネットサーフィンしていると、1枚の気になる写真を見つけた。トチグルス谷。不思議な名前のついたこの谷にはどうやらゴルジュが眠っている可能性が高い。地形図と僅かな情報をもとに探し当てたトチグルス谷は、ゴルジュ地形の連続する渓谷だった。
鮎喰川支流 トチグルス谷開拓。
メンバー:ゴルジュクラブ1名+2名
入渓3分、下部ゴルジュが始まる。ボロボロの3m滝は右から小さく巻く。
ゴルジュに侵入すると直登できる小滝が次々に現れる。側壁は高いところで15mほどと小ぶりだが、連瀑帯を内包するゴルジュは四国において非常に貴重。
下部ゴルジュ内の滝は大きくても5mほど。フリーで水流と格闘しながら突破していく。
少し増水気味のようだが、むしろそれが良い。
このCS3m滝の上にある5m滝を右ルンゼから抜けると下部ゴルジュ終了。しばらくの河原歩きとなる。
しばらくして地形がゴルジュ風になってくると同時に15+2mゴルジュ滝が登場。短いセクションとはいえ、深く複雑に侵食された地形をしていて威圧感がある。
左岸からノーロープで高巻きできるが、とりあえず登攀開始。ゴルジュを前にして逃げるわけにはいかない。
樋状地形に収束した水流が登攀者を叩き落とそうと容赦無く水を叩きつける。側壁は磨かれて弱点がなく、水流を直登するしかない(水と格闘するトップが見えるだろうか?)。
下部4mを水流と格闘して突破、そこからステミングにて5mほど高度を稼ぐ。左にハーケンを極めて一安心。
しかし脆弱な変性岩からなる側壁はハーケンが効いているか微妙な感触で、さらに2m登りカムが決まるまで緊張は続いた。
フォローの登攀。
続いて現れる10mは途中まで登攀するも上部に弱点がなくロワーダウン。左岸から小さく巻いた。
その後も小ゴルジュが続く。5+2m滝は下部をフリーするも上部5mは結構悪く左の水流からA1。
その上には大滝15m。右岸から巻く。
大滝上部に出ると僅かなゴルジュ区間をはさみ、谷は開けて平凡になる。ここで遡行終了。
下山は谷近くをコンパクトにクライムダウンしていけるので快適。下部には水源管理用の作業道がある。
感想
いずれのセクションも容易に高巻き可能で、直登することもできる。入り口直後から始まるゴルジュは四国では珍しい連瀑を擁するもので貴重。核心部の15+2mゴルジュ滝は今回増水していたので難しかったが、平水時なら快適に登攀できるかもしれない。下山も容易で徳島県で特にお勧めできる沢だった。
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