愛媛県の大本流ゴルジュ止呂峡(とろきょう)。一般的には橋の上から見下ろすだけのマイナー観光地ではあるが、沢ヤからすれば四国最大の集水域をもつゴルジュだ。その集水域は日本を代表する大渓谷 柳又谷と同等である。
残念なのはゴルジュ区間直上の各支流に取水堰堤があり、集水域に対して水量が非常に少ないという点だが、過去、堰堤ができる前に造形された渓谷は大渓谷然とした壮大なもので、四国離れしている。
左俣の取水堰堤付近から入渓。上流はゴルジュ地形をしている。ここは取水堰堤の上流でなかなかの水量がある。
入り口の滝を抜けるとしばらくの間大水量ゴルジュとなる。
ヌメりが激しく離水が大変。登攀的に難しいところはない。
大水量の渓谷だけあり、釜ひとつをとってもスケールがデカい。
しばらく進みゴーロになったところで止呂峡へと引き返す。上流の吉居川はゴーロ主体の渓谷らしい。
止呂峡に向かい下降していく。遠目に非現実的な発色のプールが見える。
なんという発色か、肉眼で見てもにわかに信じられない色をしている。
ラペル1回で大プールへ下降。
美しい。左右俣それぞれに取水堰堤があり、渇水状態だというのにこの迫力とスケール。
右俣は斜瀑となり大プールに落ちる。世界のキャニオニアと一緒だからだろうか、まるで台湾の大渓谷のように見える。
水は青く澄み切っている。瀬戸内海に注ぐ渓谷は水の色が青い傾向があるがそのなかでも止呂峡は一級品。世界のキャニオニア曰くこれでも濁っているくらいだそう。
本流の下降は飛び込みとクライムダウンで。景観はいかついが難しさはない。
いちいちスケールがデカい。左岸に河川管理施設が見えてきたら下降終了。階段で車道まで戻る。
感想
取水堰堤により大幅に減水しているとはいえ止呂峡の集水域は大渓谷として名を馳せる柳又谷と同じである。地形的なスケール感は相当なもので、大渓谷の雰囲気を満喫できた。