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中ノ川川|沢登り・キャニオニング

石鎚山系の沢は、愛媛県側はそこそこ開拓されているが高知県側の情報は非常に少ない。石鎚山系南面で特に目立つ地形をしている中ノ川川にも遡行記録は無い。

中ノ川川 各支流開拓(沢登り・キャニオニング)

中ノ川川右俣|沢登り|2023.09.23

メンバー:ゴルジュクラブ1名|その他2名

中ノ川川の中でも特に目立つ地形をしている右俣から開拓を始める。中の川第2堰堤上部から入渓。入渓地点は高知によくあるハズレ沢の雰囲気。

地形図にゴルジュの気配を感じるco930付近の屈曲点は大きく崩落していた。

co950地点から突如ゴルジュが始まる。側壁は30m以上垂直に聳え高巻きを許さない地形をしている。

ゴルジュの瀞を少し泳ぐと奥に滝の気配。一気に興奮が高まる。

円形にくり抜かれた空間にブッ刺さる30m。右壁から登攀。

上部が見えないのでロープが35m出たところで一旦ピッチを切る。この上は15mほど階段状に登ると滝上に出た。

良い侵食だ。巨大生物の喉のような雰囲気。

なんと滝上にもゴルジュが続いていた。未開のゴルジュに足を踏み入れる幸福にニヤケが止まらない。

中ノ川川の白眉10m樋状CS滝。下部はステミングにて、CSはショルダーにて越える。

その上にも小滝が2つかかるゴルジュが続く。それぞれフリーで登るとゴルジュ終了。

c01030支流。奥に大滝が見える。

co1100右俣。水流はここで左右に二分する。より険しそうな右俣を偵察すると30m大滝があった。落ち口の造形がそそられるがとても登攀できそうに無い。高巻きも結構大変そうなので鑑賞だけして左俣に進む。

左俣co1150の20m斜瀑。水線から簡単に登れそうに見えたがかなりギリギリだった。右から簡単に巻ける。

co1200で左水流へと進む。

co1300付近で4段40mの滝が現れる。下部2段は右から高巻き。上段20mは完全に周囲をボロい崖に囲まれており手が出ない。左岸を大きめに巻き上がった。

co1450で瓶ヶ森林道に合流。地形図の1525ピークから南東に伸びる尾根を利用して下山した。尾根は上部には踏み跡がなく地形図からは判別できない崖が多い。下山にロープは使用しなかった。

中ノ川川本流|沢登り|2023.10.03

メンバー:ゴルジュクラブ1名

先日の右俣開拓が非常に良かったので残る支流を開拓することにした。今回は本流遡行から左俣下降につなげるプラン。より険しい地形の左俣を下降することで全貌解明を行う。

右俣と同じく中の川第2堰堤上部から入渓。入渓直後から瀞を携えた小滝が連続する。

中々見栄えの良い滝が続くが、単調で面白くは無い。

co970にて北へと大きく谷が屈曲するとすぐにゴルジュとなった。キャニオニング装備もありザックが重い。4mCSは空身で右から登り荷上げ。

上部に5m。これを越えるとゴルジュ終了。右俣のゴルジュが凄かっただけに少し物足りない。

co1120に20m大滝。右岸はハングし険しい地形となっている。ソロのためロープを出すのがめんどくさい。右の灌木を繋ぎ落ち口へ。

大滝上部には滑滝の連瀑を内包するゴルジュがあった。それぞれの滝は5mほどで4連瀑となっている。幸いにも左岸が比較的開けているので最下段をフリーで登り、その上から高巻きに入る。

高巻き途中から上部2段を望む。ロープを出せば登攀できる気がする。この上部で一瞬谷が開けるが、すぐに屈曲しまたゴルジュが始まる。

co1160からは大岩の詰まる狭いゴルジュが始まる。入り口の滝はフリー。

その奥にある3mCSは厳しく、左岸から小さく巻いた。

ゴルジュの出口を守る5m。逆層で登攀は難儀しそう。左岸の小ルンゼから小さく巻く。

co1190、滑滝にて合流する左俣に進む。co1260で廃林道と合流。左俣の下降地点へと移動する。

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中ノ川川左俣|キャニオニング|2023.10.03

メンバー:ゴルジュクラブ1名

開拓対象3本のうち最も険しい地形をしている左俣。地形図からはゴルジュの気配こそ薄いが多くの滝を内包している予感がする。全貌解明のためにキャニオニング下降した。

左俣へは上部右俣から入渓。意外にも堰堤が連続していた。

co1060の25m大滝。右岸NA / RL50m。

侵食が面白い。

co930 / 7m。下部の5mとまとめて左岸CD。

co890 20+5m / 左岸をトラバースしてNA / RL40。

良い滝だ。陽が差せばさぞ美しいだろう。

co860あたりから滑床のスッキリとした渓相になる。

co800 6m。右岸をトラバースしてNA / RL20。

滑床が多く気持ち良い。中ノ川川第2堰堤直上で本流に合流。堰堤を見学して車道にて入渓地点に戻った。

感想

それぞれの支流に遡行価値がある。四国に多い変性岩の性質がよく出た渓谷で、摂理と水流が一定の条件を満たすと突如ゴルジュとなる。

右俣

ゴルジュは特筆すべき造形かつ水線を登攀可能な貴重なもの。それ以外特筆すべき点がなく、本流・右俣との距離が離れているので周回は難しい。下山は瓶ヶ森林道に車をデポしたい。西の尾根は上部が険しく踏み跡もないためルーファイが必要。

本流

3箇所に分かれたゴルジュは右俣ほどの規模ではないが、それぞれに特徴がある。ロープを出せば大半の滝を直登できると思われる。

左俣

ゴルジュこそないが大滝が複数あり、それぞれが個性的で飽きさせない。登攀が絶望的な滝が複数あり、意外に険しい地形と相まって沢登りに適しているかは不明。

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